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お披露目
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試着室の外に出ていくと、皆和気あいあいと喋りこんでいた。
「みんなーっ、零ちんが可愛くなったわよー!!」
話しかけられず固まっていると、ミケさんが代わりに話しかけてくれる。
わらわらと近付いてくる男の人達に囲まれて、ちょっと緊張する。
「すごーい綺麗だわぁ!」
「もう眩しいくらいよ!!」
「可愛いわねぇ~!!」
「や、やっぱり着物がいいやつだからです、よね」
この着物、僕にはもったいないくらいだもん。
そういうと、背中をバンバン叩かれた。
叩いたのは舞姫だった。
「なにを言うか!! 綺麗なのは零だぞ!!
これで椿も惚れ直すじゃろ」
「……え?」
椿さんが?だれに??
僕がポカンとしていると、舞姫や別の子達が口々に
「え?もなにも、お前ら恋仲ではないのか?」
「えーっ、さっき椿が零のこと褒めてたわよーっ」
「食べちゃいたいくらい可愛いって」
「超デレデレしちゃってねぇ」
なんて言うから顔が火照る。
ぜ、絶対椿さん僕を困らせる為に言ったんだ!!
いじわる!!
椿さんの方を見ると、僕なんかそっちのけでミケさんと楽しそうに話していた。
「で、実際はどうなんだ?」
「違う!! 違うもん……僕と椿さんじゃ釣り合わないもん……」
舞姫に訊かれてきっぱり否定する。
僕が曖昧な返事でもしようものなら椿さんに迷惑がかかる。
「まぁ、そうよねぇ。 こんな綺麗な零ちゃんとあいつじゃあ釣り合わないわ」
「……ぇ、ぅ、そうじゃなくて……」
僕が釣り合ってないんだよ。
そう言おうとしたけれど、上手く言葉に出来なかった。
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