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酔っぱらい
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ユウは僕の引いてぴょんぴょん小走りで廊下を進んでいった。
どこへ行くのか訊いても生返事を返されるだけ。
「連れてきたぞー!」
ユウは、とある部屋のドアをピシャッと開け放つ。
「おーっ、やっと来た!? 待ってた待ってた!!」
「あっらー、今日も可愛いわねぇ!! さっきも見たけど!!」
部屋からは顔が真っ赤のミケさんと椿さんが肩を組んで出てきた。
お酒の匂いがぷんぷん漂ってる。
……酔ってるんだ……
「さ!! 入って入って!!」
それで、中に押し込まれた。
その部屋は宴会所のような感じだった。
部屋の中には沢山の人達が居て、みんなお酒を飲んでいた。
座るよう促されたので正座をする。
「今日も可愛い零ちゃん~♪ 僕のお嫁さ~んっ♪」
僕の隣の椿さんはこっぱずかしい歌を大声で歌っていた。
縮こまってうつむいていると、腕を掴まれ引っ張られた。
「立て」
「ゆ、ユキツネさん……!」
ユキツネさんにわりと静かな部屋の隅まで連れていかれる。
誰も僕がいなくなったことに気付いていない。
「すまないな。 騒がしいだろ」
ユキツネさんは背筋を伸ばして堂々と座っていて、今日もとても綺麗だった。
「お前を皆に紹介しようとしたんだがな。
……椿はべろんべろんに酔い始めるし、まったくあいつはこれだから困るんだ」
ユキツネさんはため息をついた。
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