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梅ジュース
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「……大変ですね」
不意に、知らない人に話しかけられた。
スーツをきたサラリーマン風の男の人だ。
背が高くてがっしりしていてスゴいカッコイイ。
The・男って感じだ。
(それにしてもなんでスーツなんだろうか……)
「あの人、酒癖悪いんですよね」
「あ、はい、そうなんですか……?」
「俺、菊池っていいます。
人の世でサラリーマンやってるんです。 宜しくお願いします、零さん」
ほう、菊池さんか。
ユキツネさんの知り合いかな……?
菊池さんがかるくお辞儀してくれたので、返そうとすると
誰かが僕の背中に飛び込んできた。
「わーっ、ばか狸、今度は零ちゃんに手を出すつもりかーっ!!
婿として許せぬ事態!!」
「椿……」
菊池さんは椿さんを見た瞬間、憎悪で顔を歪ませた。
そんなに仲が悪いのかな、この二人……
「おまえ、そうやってこの子にベタベタするからあの方が拗ねるんだろうが。
この子はあくまでもーー」
「うるさいなタラシの狸! 俺はジジイのご機嫌とりなんか御免なんだよ!!」
「誰がタラシだ!!」
椿さんと菊池さんはずっとこんな調子で喋ってる。
暇になった僕は近くにあった飲み物をくーっと飲みほす。
あ、これ梅ジュースだ。
美味しい……
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