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ない
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お風呂から出て体を拭いて、脱いだ着物を着ようとした。
……が、
「…………な、ない……」
どこにも、ないのだ。
確かにそこに置いたのに、穴があくほど見ても跡形もなくなっている。
「さっ、早く服着ちゃって!」
「……え、あ、それが……」
ボーッと立ち尽くしていると、もうバッチリ着替え終わったミケさんに話しかけられる。
ミケさんはきょとんとしたが、それも一瞬のことですぐに眉をひそめた。
「あらら……なくなっちゃった?」
「はい……確かに、置いたはずなんですけど……」
「盗られたんだわ」
「……え?」
盗られたって?
誰に?
こういうとき、頭の悪い自分がいやになる。
「じゃ、アタシの服かしてあげる。
ちょっと待ってて」
ミケさんはぱっぱと出ていってしまった。
……服かしてもらうなんて、悪いなあ。
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