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夢その2
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「ど、ういうこと?」
兄さんの腕は、俺を抱きしめたまま。
兄さんが何をしてるのか、全くわからない。
「ひっ…!?」
首筋にふと、兄さんの息がかかる。
その息は熱くて、息をする音は少し荒い。
「時雨……ん…」
「んぁっ……?」
兄さんの歯がソフトに首に当たる。その感覚はぞわっとして、むず痒く、変な声が出てしまった。
「ま、に、いさん、どういう……」
「んっ……」
「いっ、ぁっ……!」
ソフトに当たってた歯が、いきなり力を増す。
するとその歯は離れ、兄さんはこう言う。
「これで…オレのもの」
――――――――――――――――――――――――
俺は夢から覚めた。すると、目の前には心配そうに俺の顔を覗く兄さんが居た。
「時雨?うなされてたよ、大丈夫?」
「わっ……ぁ、う、うん」
「制服のまま寝たから寝苦しかったんじゃない?…ご飯もできたし、着替えてからおいで、」
「うん…」
兄さんは、それだけ言うと部屋から出た。
俺は素直に着替え、部屋から出る。
……けど何だか、ちょっと落ち着かないから兄さんの部屋の彼を見てから行こう。
兄さんの部屋の戸を開け、すぐ目の前の彼を見つめる。
彼は水の中をスイスイと気持ちよさそうに泳いでは、水草の上で休憩してみたり、橋の下に潜ってみたりを繰り返す。
「緑くーん…俺変な夢見ちゃったよ……」
返事のない、翡翠色の彼に話しかける。
彼の尾が、フィルターから発せられる泡と水流にユラユラ揺れるのを見ると、心が落ち着いてきた。
……俺もベタ欲しいなぁ……。
とりあえず、心も落ち着いたのでご飯に行く。
一階へ降りると、いい匂いがする。
俺は、今まで忘れてた空腹が押し寄せ、お腹がなってしまう。
「お腹、空いてるでしょ。」
「ぅー…//」
聞かれたのが今、ものすごく恥ずかしい。
席に座って、いただきまーすと言い食べ始める。
美味しいなぁ…
「そーいえばさ、前アイドルの話あったでしょ?返事してないけど…どーするの?」
「うーん……やってみようかなぁ。って」
「おおー!」
「この事務所…どこにあるの?」
「ん、見してー」
俺は、机の上に置いてある(置いておいた)名刺を見せる。
「ん、……水雲プロダクション…………」
兄は箸を咥えたまま硬直。
「ど、どうしたの?」
「ぁいや……ここさ、」
「うん」
「俺の居る事務所……。」
「ファッ」
「アイドル作る話なんか聞いてませんけどねぇ!?」
「確かあの人グループって言ってたよ?」
「聞いてない…まぁいいや、電話も面倒でしょ。明日、一緒に行こうよ。」
「あ、うん!」
ご飯も食べ終わり、また片付けをし、お風呂に入る。
……俺だって男なわけで……要するにそういう生理現象はあるのだが……その…やる気は……ない。
けど今日はその…さっきの夢のせいで溜まってたのがやばい感じ……やんない、やんないぞ…!
そういえば、こんなのを聞いたことがある。
「そういう夢を見る時は、その相手ともっと親密になりたいと思ってる」と。
夢なんか、実際言ってしまえば脳が記憶とかを整理する時に見るものであって……あんなの記憶になんか無いのに…。
湯船の中で、俺はぼーっと考える。でも気にしても仕方が無い、湯船からでて、体を拭き服を着て、リビングへと戻る。
「時雨、髪乾かしてあげる」
「へっ?ありがと……」
「すわってー」
「うん」
俺は兄さんの目の前に座る。
ぶおーっと暖かい風が当たる。
兄さんの手が、俺の頭をワサワサとしながら乾かしてく。兄さんは俺よりも身長高いし、かっこいいし…兄さんの手は、とても安心する。
兄さんはどうやら俺が寝てる間に入ったようで、そのまま寝ることにした。
「ねぇ時雨、」
「ん?」
「今日は一緒に寝てみない?」
「……ファッ」
「ね?」
「ぇ、あ、……ぅ、うん…」
「よーし決定!……先部屋いってて、俺はもう少しやる事あるから。」
「はーい」
何故か流れで…。
まぁ、いいや。
俺は、また緑くんに視線を向ける。緑くんは水草に乗っかって、かわいいなぁ。
そんなこんなで、ずーっとベタを見ていると、兄さんが入ってきた。
「あ、また緑くんに見入って…俺嫉妬しちゃうなぁー」
なんて笑いながら言う。
そんなこと言いながら、まだご飯をあげてなかったのか餌をとってあげる。
緑くんはそれにぱくっと食いつき食べる。いやぁ可愛い。
「俺も魚欲しいなー」
「ぉお、じゃあ、明日事務所に行ったら帰り熱帯魚見に行く?」
「いいの!?」
「いいよー?」
「やったー!」
と、何でもない会話をする。
そろそろ眠くなってきたし、ベッドに横になった。
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