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きっと
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俺は、今日弟の誕生日だからと思い、料理を少し豪華にしてみた。
泣きながら美味しそうに食べてくれる弟は、本当に癒しだったのだ。
でも、ひとつ気になったことがあった。
俺が告白した後の、返事が来ないこと。
確かに相手は弟だし、そんなのおかしいって自分でも分かってる。分かってるけど…諦められないんだ。
あれから2ヶ月は経った。
多分弟は、夢かなにかだと思って忘れてるんだろう。
俺はこんなに好きなのにな…。
弟が毎日レッスンとかから帰ってくる度に、さみしさと嫉妬が押し寄せてくる。
もっと弟に触りたいし、もっと一緒にいたい。
「にーさん?どしたの?」
「えっ、あ、何でもないよ?うん、全然何でも」
「そか。」
またもぐもぐと食べ始める弟。でも、また言葉が続いた。
「兄さんさ、最近上の空だよね。」
「え?」
「好きな人でも居るの?」
「あ、そ、の…」
「…いる?」
ほら、忘れてる。
俺が、お前のことが好きなんだってこと、忘れてる。
もう一回、言わなくちゃ。
「前も、言ったよね。…時雨が好きなんだって…。」
「あ……夢、じゃなかったんだ…。」
「俺、やっぱり好きなんだよ、どう考えても…いくら考え直しても…。」
「にーさ…ん…」
「時雨にはいろいろなことしてあげたい…けどそれは兄としてで…時雨にしたいことはしちゃいけなくて…」
「あ、う…」
「だから、時雨が受け入れてくれないのも分かってるし、いいん…」
「にーさん!」
弟の顔を見る。
その目は、真剣だった。
「…俺、よく考えたんだ。夢だと思ってたけど、ちゃんと…」
弟は、そうやって話し始めた。
自分の気持ちに、正直になって。
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