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チケットと神様
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放課後。
部活のある仁と三月と別れ、玄関に向かう。
そーいえば、もらったクッキー美味しかったな。
今度お返ししなくちゃ。
「氷室」
「あ、大泉くん」
後ろからぽんと肩を叩かれ振り向くと、そこには相変わらず眩しい笑顔の大泉くんがいた。
やっぱりかっこいい。
「どうかした?俺の顔に何かついてる?」
「え!?あ、いや全然何もついてないよ!すっごくかっこいい!」
「え…」
って、俺なに言ってるの!?
テンパりすぎだろ!
「あぁ、ええっと、な、何かあったの?大泉くん!」
わざとらしく誤魔化してしまった。
絶対変だと思われた…。
「あ、うん、えっと、氷室に渡そうと思ってたものがあって…」
「俺に?」
「うん、ちょっと待って」
大泉くんはカバンをごそごそとあさり、封筒を取り出した。
「これ」
「……?」
それを受け取り、中身を取り出すとチケットが出てきた。
「こ、これは…!?成瀬吾朗さんの握手会&サイン会のチケット!」
「へへっ、当たったんだ」
「す、すごい!俺、落ちちゃって、へこんでて!倍率高かったよね!?」
「うん、すごく」
「う、うわすごい!やばい!」
やっぱりなにか持ってるんだよ大泉くんは!
「すごいよ大泉くん!」
「ふふっ………でね、チケット、2枚当たったんだ」
「えぇ!?」
2枚も!?
すごい、やっぱり選らばれし人間なんだよ…。
俺はチケットを封筒に戻しそれを大泉くんに差し出す。
「楽しんできてね!」
「え、や、違うよ。言ったじゃん、氷室に渡したいものあるって」
「え?」
それって、もしかして…。
「一緒に、行こうよ」
「………っっ!!」
神様!
神様がここにいます!
「いいの!?」
「もちろん」
「あ、ありがとう、大泉くん!」
うわぁ、楽しみだなぁ。
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