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姉と弟
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握手会は来週の日曜日。
俺は家に帰ってからもずっとそわそわしていた。
カレンダーを何度も見て、大泉くんからもらったチケットを何度も何度も眺めてはこれは現実だと自分に言い聞かせていた。
嬉しい、本当に嬉しい。
ベッドに寝転がりながらチケットを眺めていたら、突然部屋のドアが開いた。
「にーちゃん、ゲームしよ!」
「うわぁ!?も、もう、勝手に開けないでよ、勝!」
この、いかにも元気でやんちゃそうな子は俺の弟、勝。
「あ、ごめんごめん。……って、にーちゃん何にやにやしてるの」
「え!?し、してないよ!?」
「してるよー。なに、彼女とデート?」
「ち、違うし!彼女いないし!」
勝はけらけら笑いながら「早くリビング来てね」と言って俺の部屋を出ていった。
………はぁ。
勝はほんと、俺のことからかいすぎ。
勝は今中学2年。
成長期真っ只中で、もうすぐ俺の身長こしそう。
帰宅部の俺とは違って、勝はバスケやってるし、運動神経もいい。
それで成績も優秀。
兄弟なのに、どうしてこうも違うのかなぁ。
俺はひとつため息をついてリビングに向かった。
リビングに入ると、勝がもうゲームを始めていた。
そしてその隣には、俺の姉の怜が座っていて勝と対戦している。
「ぃよっしゃー!勝ったで!」
「ねーちゃんずるいよ今のは!」
「いーじゃんよ、勝負は勝負。どんな手を使っても勝つってのが私のモットーよ」
姉さん…。
大人気ないよ。
そんな姉さんが俺に気付いて手招きする。
「瞬、待ってたわ!私と対戦しなさい」
「えー、だって姉さん手加減しないでしょ?」
「当たり前よ!私は、あんたに勝つのが当分の目標よ」
「にーちゃん負けんな!」
うぅ……そう言われましても。
俺は勝から渡されたコントローラーを渋々受け取り、早速姉さんとの勝負を始めた。
結果は、俺の圧勝。
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