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着る
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脱ぎおわって元の服に戻った後、買う服をカゴに入れて他のものを物色した。
するとさっきの店員が少し気まずそうに
「どうでした…?よければ今から着てもいいですよ?」
と声をかけてきた。
望勇でもその気まづさを察したのか
「さっきは…びっくりして…。ごめんなさい。
これ、一個だけ…あげるから許して…?」
と貰ったばかりの飴を一つ挙げている。
「ありがとう」
そう微笑んだ彼女に、
「あー…じゃぁ服着させちゃっていいですか?」
と問い直す。
…流石に、このみすぼらしい格好を
早く変えてあげたかったから。
店員が一度服を受け取り、値札を切る。
キラッと光ったハサミに一瞬顔を青くした望勇に
「更衣室の中で先に脱いどくか」
と誤魔化して急いでその場を去った。
店員も値札を切ると更衣室まで持ってきてくれて
着替えたばっかりの服にまた着替えた。
「このまま会計しちゃっていいですか??」
着替える望勇を待っている間に店員がそう聞いてきた。
「あー…まだコートとか買いたいので…」
「では値札はレジで預かっておきますね」
おれの拒否にその店員は笑顔を向けレジに走っていった。
…悪い奴ではないんだろうな。
その背中を目で追ってまた思った。
「橘さんっ!」
急にカーテンが開きそう叫んだ望勇が出てきた。
「っ?!」
初めてきく大きい声とその勢いに何事かと椅子から飛び上がると望勇は「え」と俺の顔を見て大きく息をはいた。
「行っちゃったかと…思いました…」
か細い声でそう胸を下ろすそいつに
「あぁ、店員の足音か」と苦笑する。
「ちゃんと待ってるし、側にいるから」
そう言って望勇の方に歩いて行き頭をなでる。
へらっと笑った望勇は可愛かった。
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