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呼ばないで
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声が聞こえた瞬間、俺の頭は一瞬パニックになったがすぐに思考を巡らせる。
なぜ人が居る
どうして声が外に漏れた
いつから聞いていた
ここは部活棟ではないし、教室棟でもない。
放課後になってこんな場所に来る人なんて、絶対に居ないと思っていたのに。
もしかして、学校の人しか知らないような隠れスポットなのだろうか。
そうだとしたら、まさか告白の名所とか……
もしや、それ以上の事とか…?
え、嘘だろ!?まさか先輩たちってここの校舎を…ラ、ラブホ、代わりにしてるのか……っ!?
人が居ると迷惑だから、俺に怒鳴り込みに来たと!?
い、いやいやいやとにかく、謝るのが先だ!謝っとけば悪い事してたとしても許されるはず。
俺は息を吸い、いつものように
声を張り上げて謝った。
「ごめんなさい…!
貴方の力強い声に聞き惚れていたら
返事が遅くなってしまったわ!」
やってしまった。
癖と言うのは恐ろしいもので、
つい先日までバリバリ現役で歌っていた俺は何も考えず、マリアの声で謝ってしまった。
慌てて口を覆った時にはもう遅く、無慈悲にも、誰なのかも分からない凛とした声が高校生活の終了を告げる。
「…驚いたよ、君はマリアなのかい?」
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