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監禁生活。--汚染(功太side)--
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涙が乾くと共に眠気が襲い瞼が重くなる
だが功太は意に反し
全身で痛みを訴える身体を無理やり起こした
汚い身体を綺麗にしろという蒼の言葉が
頭の中で響く
もし、ここで寝てしまったら
きっとまた殴られるだろう...
ベッドから降りるとおぼつかない足取りで
扉へ向かった
足を運ぶ動作は重く
その度に身体は悲鳴をあげる
「...っ、ぅ.....はぁ....」
歩く度に呻き声が漏れる
やっとのことで扉に辿り着き
あまり入らない力を振り絞り押す
この前蒼に連れて行かれた道程を
薄れた記憶の中で辿りまた歩みを進める
壁に寄りかかり身体を支えながら
少しずつ進んでいく
暫く歩いていると目の前に角が見えた
軽く息を切らしてそれを確認していると
向かい側から蒼が歩いてきた
功太は壁に沿う様に
もたれながら蒼へ視線を向けるが
蒼は功太と目を合わせることなく
すれ違っていった
(怒ってんのかよ....)
無視された様な感覚に襲われ俯く
汚れた身体....か...。
風呂に入るくらいで綺麗になるわけないのにな
そんな事を思うが
蒼の言う通りにしなければ
きっと、また.....
考えることが嫌になり功太はまた
風呂場まで時間をかけて歩き出した
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洗面所に入るが
やっぱりここは気温が低く感じる
あの時は蒼に脱がされそうになったし
見られている感覚があったから
脱ぐ事に抵抗があったが
やはり一人だと脱衣は楽だ
脱いだ服をとりあえず畳み、棚の上に置く
風呂場に足を向けた功太だったが
洗面台の鏡が目に入りそちらに視線を移す
鏡に映る自分の容姿に言葉を失った
自分が想像していたよりも
傷付けられた痣や傷はとても酷いものだった
映り込んだその顔の目の下は
青紫色になり少し腫れ
口の端も同じ様な色をし、赤く血が滲んでいた
白い素肌の身体には
肩や腕、腹から横腹、背中にかけて
青紫色の痣が浮かぶ
「....っ、こんな...俺....」
鏡に近寄り映った姿に指を立てる
首元のガーゼは赤黒く染まり
それが当てられていない箇所は
絞められた指の跡が鬱血して浮かび上がる
思い切ってガーゼを剥がすと
また治癒していないその傷は
赤茶色に変色し、ヌラヌラと光っていた
小さな悲鳴の様な声が漏れる
こんなに沢山の、傷が....
痛みよりもその汚された身体に
功太自身も気分が悪くなった
この大量の痣が消える事はあるのか
こんなにも汚れた身体なのに
理樹は俺をまだ好きでいてくれるのか
下を俯き鏡から離れる
早く風呂に入ろう
もう綺麗になることのない身体を
洗おう
重い足取りだが早急に功太は風呂場に入る
湯加減の調節も何も考えず
目に入ったネットにボディソープをかけ
一番最初に身体を洗った
ゴシゴシと力任せに肌を擦る
泡越しにでも分かるほど徐々に赤みを増す
痛みに耐える様に下唇を噛み締めた
汚い、汚い、汚い。
頭から熱いお湯を被りながら
痛みでなのか悲しみでなのかも分からない
涙が溢れ出した
擦った皮膚がお湯に浸り
また更に痛みが増す
だが自分の付けた傷の痛みは
他人の付けた傷が訴える痛みよりも
幾分マシな様に感じる
こんな事で綺麗になるはずがない
知っているけど
知っているからこそ
この手段を選ぶしか他なかった
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全身を洗い終わりお湯を止めると
フラフラと脱衣所へ出る
さっき棚の上に畳んで置いたはずの
洗濯物が片付けられ
新しい下着と洋服が置かれていた
身体の水気を掛けられていたタオルで拭き取り
棚からミニタオルを取り出し頭の上に被る
用意された下着と服を着ると
衣服の擦れでまた肌がピリッと痛む
一呼吸して脱衣所を後にした
自ら何の抵抗もなく蒼の部屋に向かう感覚に
疑問を感じなくなった事に
功太は気づいていなかった
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