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監禁生活。--汚染.3--
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「功太っ!功太しっかりしてっ!!功太っ!」
自身の腕の中で意識を失った
功太の身体を揺するが目を覚まさない
どうしたらいいかわからず
急に倒れた功太の名前を呼ぶことだけしか
蒼にはできなかった
「蒼様っ、如何なさいましたかっ....!」
その声を聞きつけ
焦った様に白井が駆けつけた
「白井っ!...功太が、功太が...!」
「神崎功太がどうなさいましたか」
パニック状態になった蒼へ
白井は落ち着いた様子で問う
蒼も整理しようと必死に
何度も言い直しながら答える
「功太が、功太がねっ...どうしたのって聞いてるのに返事もなくて、ずっと苦しそうな顔をして...そしたら急に倒れてっ...僕、どうしたらいいか分からなくて、功太目を覚ますよね!?ちゃんと起きるよね!?」
「分かりました。
一旦、落ち着きましょう蒼様..」
「僕が殴ったりしたから....萩堂に散々殴られたこの身体を...僕が......殴ったりしたからっ....!」
白井の言葉がまるで聞こえていない様に
蒼は1人で呟きながら
抱えた功太の肩を力無く抱き締める
「蒼様!」
白井が大きな声を出したことに
蒼ははっと顔を上げる
「落ち着いてください。とりあえず医者に診てもらいましょう。神崎功太はベッドへ寝かせてあげましょう」
白井が淡々と説明すると
蒼は涙ぐみながらそれに従った
白井が部屋から出て行き、程なくして
白井と共に白衣を着た中年ほどの医者が現れた
蒼も病気になれば
必ずこの医者に診てもらっていて
蒼のかかりつけ医のような存在でもあった
服を捲り上げ触診をしたり
血圧を測るなどの簡易的な診察のみ行うと
後ろに立つ、白井と蒼の方向へ向く
「低血糖症でしょう。軽い栄養失調も兼ねているね。それにしてもこの身体の痣はなんだい?」
聞きながら置いておいた自分のカバンの中から
針とチューブの様なものを取り出し
液体の入った袋を取り出す
蒼と白井はその問いに対し
答えようか答えないか一瞬悩む
「まぁ、俺には関係ないけどな。玩具は大切にするもんだぞ」
返事に詰まったことに気付いたのか
医者は功太の腕を消毒し注射針を刺す
そして薬をベットの柵の上部へセットする
そこにはフックが作られており
無論、蒼の点滴の際もここへ薬を吊るす
道具を手早く片付け
すくっと立ち上がると2人の前に立つ
「また何かあったら呼んでおくれ」
傷だらけの功太を見ても
理由を聞くだけで焦りもしないこの医者も
小野寺家の事情を全てではないが
把握しているのかもしれない
「ありがとうございました。会計をしますので私の部屋までお願いします」
白井は蒼へ頭を少し傾け退室する合図を送る
蒼はこくっと頷いた
「出張代はつけてあげるよ。薬代だけもらっておこうか」
医者はそう呟きながら白井の背中を追う
2人は蒼の部屋から出て行った
蒼はぐったりとベッドで眠る功太に近寄る
点滴のされた腕に浮かぶ青紫色の痣は
萩堂がつけたのか蒼がつけたのか分からないが
白い肌には余計目立って見えた
顔にも痣が目立つが
腫れ上がるほど殴られはしていないようだった
服を捲ると腹部や胸にも
腕と同じような痣が浮かぶ
首にある傷は蒼自身が意図的に付けた傷だったが
悪いことをした気が今更起こる
ぐっと蒼は口を縛る
こんなに酷い跡になるほど
殴られたんだ......
起きたら今度こそ抱きしめてあげよう
辛かったねって
頑張って耐えたねって......
「そうしたら功太は.....
僕のこと好きになってくれる?」
返事をするはずもない意識のない功太へ
問いかけながら頭を撫でる
「あ、まだ乾かしてなかったのか...」
湿った感触に蒼は忘れていたように
机にあったドライヤーを用意する
火傷しないように
わしゃわしゃと髪を手で乾かしながら
ドライヤーを当てる
完璧に乾いた事を確認して
ドライヤーを止めるが
功太はまだ起きる気配がなかった
蒼は自分も功太の横へ寝そべり
添い寝しながら
端整な横顔を見る
「功太...僕を好きになってよ....。そしたら....」
頬に手を当て、指でなぞる
「叩いたりしないから........
噛んで跡とか付けないから....。僕の事を....っ」
こんなこと、功太には直接言えない
だけど
伝わってほしい
僕は本当に君が好きなんだよ
功太.....
僕の.....功太.......
大好き...だ、よ.........
蒼は届かない想いを
意識のない功太へ伝えると
そのまま一緒に眠りの世界に落ちた
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