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監禁生活。--汚染.4--
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「....ん...ん、.....」
功太は寝息を立てながら
ゆっくりと瞼を開いた
目に映る天井を暫く眺めながら
思考の回らない頭を働かせる
(あれ、なんで俺...風呂から帰ってきて....)
ベッドに入った覚えもなく
そこで途絶えた記憶を辿っていく
「んぅ....」
すぐ横で聞こえた寝息は
蒼のものだった
「っ...いたのかよ......ん?....これ.....」
右腕を少し動かした時に
点滴された自分の腕に気づいた
それと同時に
朦朧とした意識の中、苦しげに
自分の身に起きている状況を飲み込もうとした
記憶が蘇る
「.....俺、倒れたの、か.....?」
視界が狭まり何も見えなくなった後は
何も覚えていない
気がついたらベッドの上にいた
左手で針を抜こうとするが
点滴薬がまだ残っていることに気づき
その手を離す
「...功太.....功太っ!?気付いた!?..よかった」
功太が動いた事によりベットが軋み
隣で寝ていた蒼が目を覚ました
起きるなり身体を起こし
功太の顔を覗き込みながら
安堵の声を漏らす
「俺は....」
「覚えてない?功太、お風呂から帰ってきた途端急に倒れたんだよ?...お医者さんに診てもらったら、低血糖症と軽い栄養失調って言ってた。これからはちゃんとご飯あげるね、ごめんね」
功太が口を開くと先に蒼が話し出した
功太は倒れた原因を聞きたかったので
そのまま開いた口を閉じる
見下ろされるのが何となく嫌だったため
功太も苦しげな声を出しながらも
身を起こした
「僕ね、功太に謝りたい事があるの....」
暗いトーンの声に功太は
蒼の顔を見つめる
蒼は目を合わすことなく話し始めた
「萩堂に沢山殴られた功太のこと...殴ったりしてごめんね....」
辛そうな蒼の顔を見て功太は訳が分からなくなる
何でお前がそんな顔するんだよ
首を噛んだこともあるし絞めあげた事だってある
殴るなんて当たり前のようにしているくせに
何で急に謝るんだよ....
だったら俺をここから
出してくれよ......
「........ 別に.......」
功太は蒼へ向けた視線を逸らし俯く
今度は逆に蒼が功太を見つめる
「殴るだけじゃなくて、他にも何かされたでしょう?」
蒼の問いが一瞬意味わからなかったが
すぐに理解した
萩堂に咥えさせられた事だ...
「枕カバーとシーツカバー新しくしたよ...気持ち悪かったでしょ?....ねぇ....あれは.....功太のもの?それとも萩堂のもの?」
蒼のいう”あれ”もすぐわかった
何度も口内を犯され
飲めと言われ注がれる度吐き出した精液の事だ
「......」
「功太?答えて?」
黙り込んだ功太にいつもよりも穏やかな口調で
問いただす
またいつ豹変して殴りかかるか分からない
蒼は無視されるのが嫌いだ...
「あれは....萩堂の..ものだよ....」
「フェラさせられたの?」
直接的な言葉に一瞬顔をしかめるが
こくっと頷く
「そうなんだ....辛かったね、よく耐えたね...」
涙声になりながら
功太の頭をポンポンと優しく撫でる
功太はまた分からなくなる
何で急にこんなに優しくしてくるんだろう...
俺が好きだから?
....俺はお前にどんなに優しくされたって
お前のことは好きにならない.....。
「もう二度とこんな目に合わせたりしないから...僕がずっとずっと功太のことを守るから...安心してね?」
蒼は功太の目を見つめ優しく微笑む
功太はその目から逃れるように目をそらす
「....ねぇ功太、僕のこと好き?」
呟くようなその問いに功太は戸惑う
好きになるなんてあり得ないのにーー。
「ねぇ、僕のこと好き?」
さっきと変わらない穏やかな口調だが
答えを求める早急感がそこにはあった
功太は戸惑いながらも返事を考えた
好きじゃないといえばどうなる?
怒る?殴る?
でも蒼は今、殴ってごめんねと言った
俺のことを守るって言った
ここにいる理由は
俺が逃げれば理樹が身代わりになるから
俺がこいつを好きにならないといけない
交換条件は何一つない
好きな人は一人だけでいいーーー。
そこだけは
それだけは
正直でいたい。
「俺は....」
功太は言いながら蒼を見つめる
蒼の目は悲しげな色をしていた
「....俺はっ....蒼の事、好きじゃ...ない.....」
一度は見つめた蒼の瞳の色に耐えられず
目を逸らしてしまった
「....どうして.......っ?」
驚きと強い悲しみの籠った声が
功太の耳に刺さる
誰にも愛を与えられなかったという蒼は
人の愛し方を知らずに育ち
愛している人の愛し方すら
分からなかった
蒼の中で何かが弾けた
それはただ
好きだと思う功太を怯えさせ
苦しませるだけということを
まだ蒼は知らない
まだーーー。
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