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発覚。.4
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起き上がったタイミングで
部屋の扉が開いた
一瞬、息を呑む功太だが
この感覚にも慣れつつあった
だが入ってきた蒼はいつもと違っていた
いつもなら先にただいまー!って言いながら
明るい声で入ってくるはず....
なのに今日は
ベッドの上で座っている功太へ
無言で近づいてくる
すぐそばまで来ると功太を冷めた目で見下ろした
明らかに怒っているその態度に
功太は困惑する
「お、おかえり.....」
挨拶とか返事とか
ちゃんとしないと怒る事を知ってる功太は
とりあえず迎えの言葉を呟いてみる
だが蒼は何も言わない
ただ冷たい目で見据えるだけ
怯えつつも何があったのか聞こうと思い
口を開こうとしたその時
蒼が初めて口を開いた
「ねぇ、これ誰から貰ったの?」
ポケットから携帯を取り出し
カバーを功太の前でチラつかせる
朝、同じような事を蒼と話したのを思い出す
だが緊張感と鈍い思考回路が合わさって
朝と同じ返答が思いつかない
当たり前だった
その場凌ぎで嘘をついたのだから
「橘から貰ったものなんでしょ?」
言葉を探して目を泳がす功太へ
蒼は鋭く切り出す
蒼の問いに功太は驚愕混じりに
顔が青冷めていく
嘘が....ばれた.....
なんで.....
「何でっ、何で嘘付いたの?ねぇ、正直に言えば壊されるとでも思った!?ねぇ、ねぇ!!!」
ベッドに携帯を投げると同時に
功太の肩に掴みかかり
語尾を荒げながら詰め寄る
怒っていた原因はこれだったんだと
その時気付いた
「っ”、ち...違っ....!」
指を食い込ませ肩を掴まれる痛みに
一瞬呻くが蒼は御構い無しに続ける
「違くないだろっ!?何で嘘吐くの!?橘の為なんでしょ!?ねぇっ!何でなの!?」
掴んだ肩を強く揺らす
苦痛に漏れる声は蒼には届かない
でも取り繕えるような余裕なんてなかった
暫くして蒼は急に大人しくなった
肩を掴む手は離れずとも
力はない
「....何でっ、何で僕を見てくれないの......何で.....っ、」
下を向き涙声になりながら
力なく呟く言葉は悲しみが宿っていた
ごめん
そう言おうとした瞬間
顔を上げた蒼と目があった
覇気の無いはずの目は狂気を感じさせる
背筋を冷やした功太の予感は
外れてはいなかった
蒼は肩に置いた手を離すと
ベッドに投げ捨てた携帯を取った
そしてケースを外す
そのまま無言でそれを高く振り上げると
床へと投げつけた
乾いた音が部屋中に響き渡り
ハードタイプだった携帯ケースは大破した
破片が散らばり
大きく欠けたケースは棚と床の小さな隙間に滑っていた
あっ、と功太が息を漏らしたのを横目に
蒼はベッドの脇の机に向かう
机上のペン立てから取ったのは
カッターナイフ
カチッ、カチッと刃を出しながら
功太へ歩み寄る
その様子に功太は目を見開き
迫り来る恐怖に身体を強張らせる
「僕の為に使わない口なんて要らないよね...?」
蒼は狂気に満ちた顔で
功太へ微笑みかけた
全部、君が悪いんだよーーーーー?
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