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風呂上がり。
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風呂上がりの蒼は頭にタオルを乗せたまま
リビングへ向かう
もう既に夕飯の支度は整ったのだろう
辺りには美味しそうな匂いが立ち込める
扉を開けて、長いテーブルの真ん中に座る
「やっぱり白井は完璧だなぁ...」
1ミリのズレも無いんじゃないかと思うほど
整えられた食器類に感心する
触って崩すのが勿体無い位に
完璧な配置のそれらを眺めていると
白井が料理を乗せた台車を押しながら入ってきた
「お風呂は如何でしたか?」
「なんかいつもより気分がいいよ。うわあ、超美味しそうー!」
笑いながら
頭をタオルでわしゃわしゃして答えると
料理を覗き込み嬉しそうに声を上げた
白井も蒼の言葉に微笑むと
それは何よりです、と言いながら
料理を乗せた皿をテーブルへ運ぶ
「本日は、少々手間をかけまして...グラタンを作ってみました。勿論、蒼様の好きなエビを入れさせて頂きました。どうぞお召し上がりくださいませ」
作り立てのそれは蒼の目の前で湯気を立てる
「本当に!?やったあーー!.....白井は完璧だなぁやっぱ。僕には本当に勿体無いくらい」
申し訳なさそうに笑いながら
困ったような顔をする蒼に白井は首を振る
「私は蒼様の為に居ります故、どんなご要望にもお応えします。そんな事仰らないでください」
いつもの冷静な白井に変わりはないが
どこか悲しい色をする言葉に蒼は気付いた
「そっか.....。ごめんね。でもありがとう!じゃあ命令!いつまでも僕の側にいてね!」
柔らかな笑顔を見せながら白井に
大胆にも命令と伝えると
グラタンに握ったスプーンを立てる
ハフハフしながら美味しそうに頬張る蒼を
優しい目で白井は見つめる
「ええ、勿論でございます。.....あぁ、蒼様。火傷には呉々もご注意くださいませ」
空腹だからなのか
急いで食べる蒼に少し慌てて
水をグラスに注ぐ
えへへ、とあどけない表情で笑う蒼が
本当にさっきまで狂気染みた顔していた人と
同じなのかと怪しく思う
功太の事になると
今まで白井の前で見せたこともないくらいの
狂った行動で異常な執着を見せる
だが白井は何も言わない
何も言えない
側でお仕えして、蒼様が有意義に過ごせる様
支える役目が私の仕事
自分の感情に欺いてでも
優先するべき事だ
これでいい
これで。
「めっちゃ美味しい!!白井は天才だね!お店出せるんじゃないかな、」
蒼の輝く笑顔が
白井の心の影を照らしてくれる
それだけが私の支えです
ーーー好きですよ、蒼様。
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