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会長
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あの日から一週間が経った
そして会長が先日引退が決定した
その後の会長となる人物はまだ明らかにされていない
八尋は浬を連れ戻すため連日協会の討伐隊の人に稽古をつけてもらっていた
それから帳が吸血鬼の討伐から帰ってきた頃次期会長となる人物が現会長から発表された
「次期会長なのだが………」
そして入ってきた人物に皆驚いた
「私が今日から会長として職務につく
よろしく」
「藜…さん………」
なんと入ってきたのは藜だった
彼は淡々と挨拶するだけでそれ以上は何も語らなかった
会議室で解散すると帳は藜を追いかけた
「藜さん、一体何を考えているんです?」
「別に、ただ浬を助けたいが為だよ」
「本当にそれだけですか?
何をしようとしているんです?」
「何?他に何か疑っているの?
本当に浬の為だよ
あの子を早く保護してあげないと」
淡々と答えるのは昔からなのだが
浬の為と身を案じているようには見えない言い方だ
本心が見えない
しかし今は兎に角浬を連れ戻すことだ
彼の、藜の動向も気にしながら
そしてそれから八尋も討伐隊に同行し一緒に吸血鬼退治にいくようになった
その討伐だが藜から指令が来るとき的確に情報が入るようになった
最早先遣隊も必要ないくらい情報が藜から伝えられる
それに協会の人間は楽になったと藜を評価する声が多くなりいつの間にか協会の殆どの人間が彼の支持者となっていた
けれどその情報を何処で手にいれたのかは誰にも分からなかった
藜の言う場所に必ず対象となる吸血鬼がいるのだ
皆不思議に思っていたが誰も指摘するものはいなかった
何故ならそれでも急激に吸血鬼を狩る手間が省けたのだから
しかしそんな中でもやはり怪しむ者はいた
「なぁアンタ一体何処からその情報得てんだ?」
「君は確か八尋と言ったか
そうだね……君の知るところじゃないよ
君はただ吸血鬼へ復讐していればいい」
「……!!」
一応藜は浬と関わっている八尋の事も把握していた
吸血鬼が憎く浬も嫌いなくせに浬を受け入れようと努力している
バカな子だと藜は思う
それでも浬の味方なのだと浬にとっては大切な人物だと認識している
帳も何だかんだで彼に甘いのだ
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