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「子ども扱いすんなよ。年だっていっこしか変わんないのに」
「あ、ごめん。そうだよね、こうちゃんも来年は中学生だもんね」
光輝はモテる。たまに、光輝の家に女の子が来ることがあり、
クッキーだとか、チョコなんかを渡しに来ているらしい。
小学生でこれだけ人気があるのだから、中学生になったらもっとモテるだろう。
そのことを考えると、優斗はなんだか胸がきゅっとなる。
その原因は、わかりそうで、わからない。
わかってしまったら、きっと今までのように光輝と遊べなくなる。
だから、わからないままでいたい。
「もう、ゆう兄だいじょうぶかよ。またぼうっとしてさ。……もしかして、熱上がってきた?俺、邪魔かな?」
光輝が隣に座って、そっと優斗の頬に触れた。
そこから自分の中に光輝が入ってきたらいいのに。
そう考えたところで我に返り、優斗は思わず光輝から逃げるように離れた。
「ごめん、きっと一日寝てたから、まだ頭が働いてないんだ。なにか飲み物もってくるね」
少し頭を冷やそう。そう思ってキッチンに向かうと、朝淹れたであろうコーヒーがキッチンに残っていた。
「うわ、ゆう兄んち、インスタントじゃないんだ!」
何故か優斗の後ろについてきた光輝が感心したように声を上げ、珍しげにコーヒーを見つめる。
「うん、お母さんがコーヒーに凄くこだわるんだ。僕は飲まないけど」
前に一度だけ大人ぶって飲んでみたことがあるが、苦くてとても飲めなかった。
良い香りなのに、なぜあんなに苦いのだろう。詐欺だ。
「なあ、俺コーヒー飲みたい!」
「えっ、止めた方が良いよ、とっても苦いよ?もしかしたら、お腹が痛くなっちゃうかも」
突然、閃いたように言い出した光輝に驚いたが、きっと昔の自分と同じ大人ぶりたいのだろうと思い宥めてみるが、光輝は大丈夫の一点張りだ。
「大丈夫だって!俺だってもう12歳だ、そんくらい飲めるし」
こうなった光輝はもう誰にも止められない。
きっと自分が頷くまで駄々をこねるだろうと、
優斗は仕方なくコーヒーをコップに注いでやった。
「一応聞くけど、ミルクもガムシロップも要らないね?」
「うん!当たり前、コーヒーはブラックが一番だろ」
飲んだことも無いだろうに、通ぶって胸を張る光輝
が可愛くて、つい笑みがこぼれてしまう。
「あ、何笑ってんだよ」
「んー?何でもない、冷たいままでいい?」
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