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たった一通のメールでこうも気分が変わるものか、潤人はあの後の撮影を順調に終え、スケジュール調整のために事務所を訪れていた。
「そう。この時間から後は絶対入れないでね?すっごい大事な用があるから!よろしく!」
明日は撮影はなく、午前中に雑誌のインタビューがあるだけ。
流石に社会人として仕事のキャンセルや時間変更は如何なモノかと思う分、天使と久しぶりに逢うことを神様が後押ししてくれているように思えて嬉しくなった。
スケジュールを押さえ柄にもなくルンルンで事務所を出ると、ちょうどこちらへ向かってくる佳成と出会った。
「あ、佳さん!お疲れ様です!もう上がり?」
「あぁ。Rui も上がりか?えらくご機嫌だな」
キャラ丸投げでスキップしそうな勢いの潤人に苦笑いが漏れる。
たった1つしか歳が変わらないのに「若いな」と思ってしまうのはどうしてだろう?
そんなことを考えている佳成をお構いなしに潤人は聞いてもいないご機嫌の理由を語り出す。
「ユキくんが復活だって!明日から学校って言うから、迎えに行こうと思って!スケジュール空いてたし、一週間ぶりに逢えるんだよー!!」
たいして興味の無かった潤人のご機嫌の理由が「ユキくん」にあると知って、佳成は一瞬にして意識を向けた。
「会う?明日?」
「ん?ああ、逢うよ?今から楽しみでどうしようもないよ」
ニコニコと軽く答える潤人に、佳成の眉間にうっすらと皺が寄る。
やっと退院したのにコイツに振り回されてまた悪くなったら…?そう思えば雪成との関係を隠しているのも忘れて、本気で釘を刺していた。
「病み上がりなんだ。絶対に無理させるなよ!?歩くペースもいつもよりゆっくりで、ちょっとでもいつもと違ったらすぐに休憩!なんかあったらアニキに連絡しろよ!?」
佳成の勢いに圧倒されたじろぐ潤人は言葉の意味を理解する前に頷く。
「えっ?あっ!うん!」
「絶対だらかな!!!」
バシッと潤人の肩を叩き、真剣な瞳で何度も念を押すと、呆然とした潤人を残して帰って行った。
「は…へ?」
言葉にならないとはこの事なのか?
ポカンと口を開けたまま、それでも佳成の言うことにも一理あると納得した。
ー 明日マジで気を付けてあげよう…
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