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人間で家族
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窓ガラスに雨が当たるのを眺める。
他にすることが無いから。
「おい、あいつ何やってんの?」
「知らね、女あさりとか?」
「それはお前だろうが」
「窓から女子眺めるほど飢えてねぇよ」
「嘘付け、さっき眺めてたろ」
「ちげぇよ、何か女子が話してたんだよ」
「流石新沼、期待を裏切らねぇな」
「だからちげぇってっ、何か転校生来るらしいぜ」
「あぁ、それが女子だったのか」
「怒って良い?俺もう怒って良い?」
「女子じゃねぇのか?」
「残念でしたー、ばーかばーか」
「後で殴る」
「ごめんなさい」
その言葉には意味がない。
無意識にため息を吐いた。
身体の中身が全部口から出てったらいいのに。
「あ、ほら見ろ。無反応で有名な明石君が溜息だぞ」
「お前すげぇな」
「え、俺?」
「お前の馬鹿さ加減にため息だろ?」
「泣いて良い?俺もう泣いて良い?」
「泣けば?ほら泣けよ、ん?どうした?」
おらっ、もっと声出せよ、あ?唇噛んでんじゃねぇぞ気持ちわりぃっ。
頬が痛んだ。
「酷い、矢部君酷い、おにっ、あくまっ」
あれは人間だ。だから嫌なんだ。
「男子の転校生ねぇ、それで女子共があんなに騒いでるのか」
廊下が煩い。教室も煩い。静かなところは嫌いだ。
「あーでも何か男子も騒いでたぞ?可愛いとか言って」
「お前そっちの人だったか。馴れ馴れしくしてすいませんでした」
「ねぇ、ちょっと止めよう、敬語使わないでマイフレンド」
「すいません、ちょっと何言ってるか分かんないです」
「友よ」
「違います」
家族?違います。嘘です。違います。
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