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転校 Side葵
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正直かなり緊張してた。
転校とか初めてだし、先生ちょっと強面だし。
でも実際話してみたら意外と面白い先生だった。
教師になって長いみたいで、軽い訳じゃないんだけど、親しみやすいって言うか、お父さんみたいな、頼りになるって感じかな?
それからクラスの皆も面白くてすぐ馴染めた・・・と、思う。
いきなりお約束みたいな流れでやり取りが始まった時はちょっと置いてかれた気がしたけど、すぐに誰かが俺の事気にしてくれててその流れに入れた時は歓迎してくれてるみたいで嬉しかった。
その後質問攻めにされたりして、あぁやっぱり転校生ってこうなるんだとか思って。
連絡先も交換して、仲良くできそうなやつとかも出来た(お約束の二人)。
呼び方決めるときに葵って呼びたいって人が多かったけど、女の子みたいで嫌だからそう言ったら普通に良いよって言われてほっとした。
ただでさえ女顔で背が低いから頑張って日に焼けたりはしてるけど、それでもやっぱり名前で呼ばれるのは嫌っていうか、ちょっと抵抗がある。
そんな感じで、俺の新しい学校生活は上手くいきそうだった。
でも・・・一人だけ。
ちょっと気になってる人がいる。
別に変な意味じゃ無くて、嫌われてるんじゃないかって、そんな感じ。大体男だし。
皆に好きになってもらえるとは思って無いけど、おんなじクラスの人には嫌われたくない。
それに俺の事嫌ってるって言うよりは、興味がなさそうな感じだったから余計にそう感じるのかも。
今も窓ガラスを眺めながらおにぎり食べてる。
っていうか何見てんだろ俺。
いや違うよ、見て無い。
視界に入るし、しょうがないし。
・・・声、掛けよっかな?でもさっき無視されたし・・・あ、梅干しのおにぎりだ。
「二人とも、ちょっとだけ、ごめん」
「あ?」
「どうした?」
「うん。ちょっと」
これは声かけないと駄目だよな。さっき酸っぱいの好きだって言ったし、変じゃないよな?
俺は矢部と新沼に断りを入れて席を立った。
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