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今回の職場 5
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「お前が今回の衣装?」
見下してくるコイツは、昨日のやつの片割れ。
昨日のは茶髪、コイツは黒髪。お互い俺より背が高い。嫌みか。俺だって175はあるわ。
ついでにコイツは俺様気質だか知らねぇけど、オーダーメイドのギャルソン衣装を見事に汚してくれたボケナス。
「仕立屋じゃねぇんだよ俺は」
「仕立屋って呼んだ覚えは無いけど?」
「ギャルソン衣装が気に入らねぇって理由で汚してくれたお蔭でわざわざ縫う嵌めになった俺の身にもなってみろ」
「え、お前が縫うの?!」
「ったりめーだ!時間がねぇんだよ!注文して届くまで2日かかんだぞ!」
今回のこのCMの衣装責任者である俺は一刻も早く縫い上げなければならない。
「あとYシャツだけなんだけど」
「ん?」
昨日結局エプロンとスラックスで終わったんだよなぁ…。どっかの馬鹿のせいで。
「…布買いに行ってくる」
「着いてきて良い?」
「……オイ誰かコイツのマネージャー連れてこい」
着いてこられると面倒なことになるのは見えているから置いていく。
「代わりに僕が良いかな?」
「……何で来んの」
「送ってあげるよ」
「…………チッ」
「舌打ち?!」
時間短縮の為だ。仕方無い。
「……そこ右に曲がって。次の信号直進、3つ目の角左」
「はいよー」
助手席を薦められたが断って後ろに乗った。
「水蘭田君さ、もう少し口直した方がいいよ?」
「余計なお世話ッスよ」
「敬語遣えるの?」
「滅多に遣いませんけど」
「へぇ……」
無事に着いたので、布を速攻で買って、俺は車に戻った。
「すいません家寄ってもらって良いですか」
「お、敬語?いいよ」
「どうも」
「何?忘れ物?」
「ミシンと型紙、家にあるんで」
「え、戻らないの?」
「戻ってる暇無いですよ。あ、そこ直進して次の信号右ッス」
さっさと帰って縫お。
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