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帰宅
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久しぶりに帰ってきた自分の部屋がとても殺風景に感じられる。
荷物を床に無造作に置くと、ベッドに倒れこんだ。
ーー何故、あの時僕は和哉の縋るような目から顔を背けてしまったのだろう。
和哉は、僕を助けるために身の危険を冒してまで助けに来てくれたのに、僕は和哉になにもしてやれていない。
小瀬の目が何だか寂しげに見えて、もしかしたら小瀬はそこまで悪い人じゃないんじゃないかとか考えてしまって困惑していたとは言え、僕の行為は許されることではない。
「……僕、最低だ」
ベッドのシーツを握りしめ、顔を埋めると、目の奥に和哉の苦しむ姿が浮かぶ。
和哉をどうにかして助けたいーーでも、僕だけだったら和哉を安全に救い出すことなど不可能だ。
どうしたらいいのだろうと思考を巡らせて頭を抱えていた時、近くにあった端末が震えた。
かけてきたのはーー涼真の恋人で、和哉と涼真の幼馴染の来夏だった。
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