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想い
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「…ぁ、……ごめん…」
「……いや、俺もいきなりキスしちゃったし…涼ちゃんの気持ち考えずにするなんて、俺最低だね」
自身を最低だと言いながら力なくはにかむ来夏を見て、胸の中のもやもやが徐々に大きくなる。
ーー最低なのは、僕なのに。
来夏は、何も悪くないのに。
中途半端で自分勝手で自分が傷つくのが怖い臆病な僕が、何もかも悪いのに。
目の前にこんなに優しい恋人がいながら、気づけば和哉のことばかり考えている。
この想いが胸を過る度、必死に否定し続けてきた。
認めたくなかった、この気持ち。
でも、気づいてしまった。
ーー僕はきっと、和哉のことが好きなのだと。
こんな形で、愛している人からもらった優しさから、気づきたくはなかった。
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