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真実
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「俺は、涼真が好きだ」
「……知ってる」
でも、と小瀬が続ける。
「なんで、涼真くんが好きなの?」
「何でだろう、な。言葉で簡単に表せるようなことじゃないよ」
ーー何故、涼真のことが好きなのか。
そんなことは、ものの一言や二言で言い表せるようなことではない。
「……俺じゃ、だめかな」
「だめとかそういう問題じゃなくて…」
ーー俺は涼真しか見ていない。
そう言葉を続けようとした時、小瀬が大声で言葉を被せてくる。
「俺は和哉くんが好きなんだ!なんでこんなに俺が和哉くんに執着していると思う?和哉くんは覚えていないかもしれないけど、去年からずっと俺は和哉くんだけを見ていた」
ーー去年からずっと俺は和哉くんだけを見ていた。
その言葉が胸に刺さる。
そこで、ふと学校での小瀬の言葉を思い出した。
「でもお前、学校では、俺に一目惚れしたから尾行したら涼真と俺がキスしているところを見てしまったって言って…!」
小瀬が静かに立ち上がる。
「……そんなの建前だよ。だって、去年の入学式に君に恋をして、それからずっと和哉くんだけを見ていて、あの日に和哉くんに告白しようと思って機会を伺っていたら、和哉くんが知らない男とキスをしていたところを見てしまった、なんて言えるわけないだろ?」
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