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涼真と来夏を部屋から追い出すと、小瀬が和哉の胸元にぎゅっと抱きついてきた。
「……ねえ」
「ん?」
「………和哉くんのこと『和哉』って呼んでもいい?」
ーーものすごく深刻な顔で言うから何事かと思ったら。
あまりにも不安げに尋ねてくるものだから、思わず笑ってしまった。
「な、なんで笑うの!?」
「いや、なんか可愛いなって」
「か…かわっ……!!」
小瀬は顔を真っ赤にすると、両手で顔を覆った。
「顔、赤いから…見ないで……!」
「ふふっ、よしよし」
和哉が小瀬の頭を撫でると、小瀬はとうとう茹で蛸みたいに顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
……こうして改めて小瀬の顔を見ると、かなり顔が整っている上に細身で、涼真と並ぶくらいの、いやそれ以上に可愛いーー…
と、ここで自分が小瀬と涼真を比べてしまっていることにふと気づき、その思考を振り払うようにして頭を振る。
ーー俺は、これから小瀬を愛し、小瀬と幸せになると決めたのだ。
確かに、今全く涼真に未練がないというわけではない。
だが、その気持ちもいずれは全て小瀬に向くものだと思って静かに肩の力を抜いた。
……そこで、和哉はふと今までの違和感を思い出した。
ーー何故、急に小瀬の口調が変わったのだろう。
以前は常に語尾を伸ばし、相手を挑発するかのような口調でやたらとニヤニヤしながら話していたが、今はそんな様子は見受けられない。
和哉が、うーんと唸ると小瀬が不思議そうな顔をしてこちらに振り向いた。
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