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事実
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「……はあ…」
涼真のいる寝室のドアを閉めると、大きな溜息が出た。
ーーこれで良かったのだ。
これ以上、涼真を傷つける訳にはいかない。
涼真には、来夏という恋人がいて、俺という親友がいる。
それの何が不満なのだ?
涼真のそばにいられるなら、別にいいじゃないか?
そもそも、涼真のことを好きなくせに、思いを伝えるのが恥ずかしいという気持ちと、告白で関係が終わってしまったら怖いという不安感から自分の気持ちを言い出せず、結果、来夏に先を越されたというだけで、自分の弱さに非がある。
それを、今更。
涼真は、俺のことを大事に思ってくれていると言うが、それは、親友としてだ。
そこを履き違えてはいけない。
その事実は、これから先、俺の努力でどうにかなるものでも何でもない。
どんなに足掻いたって無駄なのだ。
そう考えていたら、何だか自然に涙が溢れてきていた。
あぁ、…早く、俺の欲望に塗れたシーツを洗わなくちゃ……。
そして、風呂場に向かうため、和哉は歩きはじめた。
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