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教室
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いつもと同じ学校への道。
スクールバックを手に提げ、学校の門をくぐる。
いつもと変わらない道のはずなのに、学校に着くまでにすごく時間がかかったような気がした。
教室に入り、自分の席に着くと、力ない溜息が零れた。
そのまま机に突っ伏す。
ふと、頭上で聞きなれない声が聞こえた。
「おはよう、岡本」
「ん…?……おはよう」
こいつ誰だっけ…?
内心焦りながら挨拶を返す。
すると、そいつは涼真の席に座って和哉の顔を覗き込んだ。
「…何」
「いやあ、俺の名前覚えていないんじゃないかと思ってさあ」
ーー図星だった。
そいつは、にやにやしながら和哉のことを見ている。
正直、何を考えているか分からないし、苦手なタイプだと思った。
「……悪い。まだ皆の名前覚えていないんだ。俺は岡本。あんたは?」
すると、そいつは、一旦俯き、小さく鼻で笑うと再び和哉に視線を戻した。
「あんたなんて言い方、気に入らないなあ。まあ、いいや。俺の名前は、小瀬 智樹。小瀬グループって聞いたことない?金融から出版から何から何まで手がけてるっていうかの有名な財閥」
小瀬グループ…。確かニュースか何かで聞いたことがある。それが今何に関係があるんだろうか…。
「聞いたことはある」
「そうか。俺さあ、」
小瀬が和哉の方にぐっと身を乗り出す。
そして、和哉の耳元で囁いた。
「俺、小瀬グループの御曹司なんだよねえ」
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