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「……は?……お前の性奴隷?お前、頭湧いてるんじゃねえの!?俺、男だし、何よりそれって犯罪だろ!!そんなことできるわけねえよ!!」
バンッと机を思い切り叩くと、クラスの皆が怯えた目で和哉を見る。
肩を上下させ、荒れた呼吸を整える和哉。
すると、察した小瀬が、にこりと微笑み、「何でもないよ?」と言葉を紡ぐ。
幸い、話の内容は聞こえていなかったようなので、クラスメイトたちは何事もなかったかのように話し始めた。
「…そっかあ、やっぱりだめかあ。じゃあ、バラすしかないかなあ?」
「いや、それはだめだ!……小瀬、これは犯罪だぞ?いくら鍵がかかっていなかったとしても、お前のやったことは不法侵入だし、涼真と俺の肖像権に反するし……お前、立派な財閥の御曹司なんだろ?だったら、こんなつまらねえことでお前の綺麗な経歴に傷をつけるなんて、もったいねえじゃん!…な?だから、やめようぜ?」
小瀬がこんな言葉で屈してくれるとは思えないが、必死になって弁解する。
すると、小瀬は考え込むような仕草をして、「あぁ」と声を漏らした。
「それもそうだな」
「え?」
小瀬は改めて和哉に向き直ると、少しせつなげな笑顔を浮かべた。
「悪い。岡本って綺麗な顔してるし優しそうだったから友達になりたかったんだ。でも、話しかけられなくてさ。それで、こんな手段しか思いつかなかった。……初対面なのに最初からこんなこと言うやつなんて、友達になりたくもないよね…」
小瀬は俯くと唇を噛み締めた。
「い、いや!!そんなことないぜ?お前、本当はいいやつだろうなって思ってたし!そうだよ、お偉いさんの御曹司がこんなこと言うわけないし!俺、真に受けて馬鹿みてえだな!もちろん、友達になろうぜ!」
ーー正直、全く状況が飲み込めていなかった。
えっと……小瀬は、本当はいいやつってことだよ、な…?
……でも、写真は削除してもらわないと困る。
「…あのさ、その写真削除してくれないか?パソコンのデータからも」
真剣な声色で小瀬に頼む。
すると、小瀬は、笑顔で「もちろん!」と答えた。
「じゃあ、俺、家に電話してメイドに消すように頼んでくる!」
「うん!ありがとな!」
小瀬は、和哉に背を向けると、教室を飛び出した。
プルルルル…
プルルルル…
プルルルル…
静かな廊下に電話の呼び出し音が鳴り響く。
しばらくすると、電話口から『もしもし、智樹様』という落ち着いた低い声が聞こえた。
「もしもし、石川?予定通りに決行して。……そう、沖 涼真くん。うん、存分に可愛がってあげてね」
小瀬は、電話を切ると、にやりと薄ら笑いを浮かべた。
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