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お待ちなさーい!
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兄さん達が暴走大乱闘をしそうになったけど、何とか止めることが出来た僕は今、アンドリューに手を引かれながら逃げている最中だ。
前を歩く彼は僕よりも背が高くて、サラサラの金髪がキラキラしていて……
なんだか現実の人じゃなくてアニメのキャラを見てるみたいだなぁ……
「大丈夫?疲れてない?」
僕がボーッとしていると、アンドリューがこちらを振り返り心配してくれた。
「大丈夫だよ。でも、兄さん達大丈夫かな……?」
「彰太は本当に優しいんだね。彼らはきっと平気だよ。ちょっとショックを受けただけだから直ぐに正気を取り戻すさ」
「なら、いいんだけど……」
そんな事を話していると、突然アンドリューが歩みを止めた。
急に彼が止まったものだから、彰太はアンドリューの背中にドンッとぶつかってしまった。
「ご、ごめん……!」
「彰太、下がって」
彰太がぶつけた鼻を抑えながら、アンドリューを見上げると彼は少し低めの声でそう言った。
彰太を背中に隠しながら、前方を睨みつけているようだった。
彰太が何事かと彼の背中の後ろから、前を覗き込めばそこにはニコニコと笑みを浮かべた副会長とニヤニヤと意地の悪い笑顔の会長が立ち塞がっていた。
「やっと、見つけたぞ。逃げることねーじゃねーかよ」
「誠の言う通りです。いきなり走り出して僕達を置いてけぼりにするなんて……。とても傷ついてしまいました……」
副会長がわざとらしくメソメソと泣き真似をする。
それに続いて会長も傷ついたなーっと思ってもいないことを口にした。
「お顔を見る限り、傷ついてる様には見えませんが?」
アンドリューがズバッと言うと、2人は更にニヤニヤとして言う。
「いえいえ、本当に傷ついていますよ?えぇ。嘘ではありませんとも」
「柊の言う通り、嘘なんか付いていないぞ?俺たちは気に入った奴に突然逃げられて悲しいんだ……。だから……」
会長がゆっくりと、アンドリューと彰太に詰め寄ってくる。
アンドリューはしっかりと彰太を背にかばいながら、近づいてくる会長から目線を逸らさない。
警戒心を剥き出しにして睨み付けるアンドリューを、余裕の表情で見下ろす会長は正しく捕食者という言葉がピッタリだった。
アンドリューの速くなる心臓の音が、彰太にも少しだか聞こえてくる……。
(アンドリュー……、怖いのに僕を庇ってくれてるんだ……)
見上げれば、彼の首筋には汗がつたっていた。
それを見た彰太は、意を決してアンドリューの腕を掴む。
「アンドリュー!行くよ!」
「え!?」
戸惑うアンドリューを彰太は無理やり引っ張り、走り出した。
「……!逃がすか!!」
すぐ様会長も2人を追って走り出す。
先程まで楽しそうに後ろから見物していた副会長も、突然のことに目を丸くしながらも直ぐに自分も走り出した。
「ちょっと、3人ともお待ちなさい!!廊下を走ってはいけませんよーーーーー!!」
お前もだ。
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