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食事
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「ヴィント様は昔からお城をよく抜け出して街に遊びにいらしてましたから、今では当たり前になってますよ」
ああ、どおりで。
やけに親しいなと思った。
なるほど。
…って、納得してる場合じゃない!!
え?第一王子?この国の?
「コレが!?」
「ハハッ、コレとは失礼だな」
「き、聞いてませんよ!そんな事!」
「言ってなかったからな。だが、今聞いたんだ。良いだろう?」
「良くありませんよ!」
「? 何故だ?」
「何故って………」
あれ?なんで良くないんだろう?
それにこんなのが王子だろうがそうでなかろうが
俺には関係のない事じゃないか。
何をこんなにムキになっているんだ?
「王子が俺なんかといたら色々と不味いでしょう…」
「心配してくれてるのか?」
「そんなわけ…「やっぱりここのは美味いな。ほら、アルも」
「…………………」
渋々と促されるままに、料理を口に運ぶ。
「…! …………美味しい…」
「だろう?」
今まで食べた事のない味だったけれど
『美味しい』と感じた。
「何ですか?これ」
「プッ…知らないのか?」
「…悪いですか」
あまりの美味しさについ尋ねてしまった事に気付いて
少し不貞腐(ふてくさ)れたように返せば
小さく笑われた。
「くくっ… いや、悪いとは言ってない。初めて食べたのか?」
「…そうですね。初めて食べる味です。」
「普段は何を食べてるんだ?」
「パン…とか、あとは持ち運びに便利な非常食、ですかね。」
「それだけ、か?他には?」
「空腹が凌(しの)げれば良かったので、他は必要性を感じませんでした。」
そう本当にそれだけの理由。
食べる事にそれ程関心は無かったし
手っ取り早く摂取できるなら何でも良かった。
でも…
食事も良いかもしれない
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