アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
赤白黄色
-
部屋を出てトイレにつくころにはさっきまでの喧騒は全く聞こえない。
「静かだな~」
さすが貸し切ってるだけあって人っ子一人見当たらない。
しかも人が密集していた空間から出ただけで体感温度が低く感じる。
涼しいとまではいかないけど、さっきまでが暑かったからこのシンとした空気が心地いい。
このまま外にでも出て静かさを堪能するのもいいかなとか考えが浮かぶ。けどこの時間は建物から出ることは違反。
ちょっと残念な気もしながら手を洗ってると、クスクスと嫌な笑い声が耳に入ってきた。
ちらりと視線を向ければ、緑ジャージが入り口をふさいでいた。
トイレに入ってくるわけでもなく、通り過ぎるわけでもない…
俺を見てニヤニヤと笑うその顔は、悪い予感しか感じさせない。先輩たちの事は知らないけど、その顔は見覚えがある。去年、頻繁にこの表情を見たことがあるから…
そして何をしに来たのかも多分わかる。
いや…気にしすぎか…
気にしすぎであってほしい。
とりあえずこの狭くもでかい壁を通り過ぎればわかる…
「すみません…
通らせてください」
意を決して壁に向かえば、やっぱりというかなんというか通らせてはもらえないようだ。
それどころか俺を中に押し込むように入ってきた。
三人か……チャラそうな赤髪、銀髪、金髪。
綺麗に染まってんな…でもなんだろ……?
えっと…
そうだ!チューリップだ!
赤白黄色フフフッ
…いや、そんな場違いな事考える前に逃げる方法見つけないと。
「えっと……」
「君、椿怜司くんでしょ?」
金髪が悪い笑みを浮かべて聞いてきた。
う~ん…有名人はつらいなぁ…なんちゃって
「ち「違うとは言わせないよぉ?毎朝すごい人だからだからねぇ」
赤髪もまぁ清々しいほど悪い笑み浮かべてますなぁ…
それにガッツリセリフ被せなくてもいいのじゃんか…
人の話は最後まで聞かないとダメって教わらなかったのかな?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 662