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助けて
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低い声がトイレ内に響き渡る。
圭…太……
辛うじて後ろを振り返れば、ぼんやりと緑のジャージが目に入った。
………じゃない
けど…
「…たすけ…て…」
張り詰めていた糸が切れた。
そこからはよく覚えていない。
やっと拘束から解放されて、気が付けばどこかの部屋の布団に横向いて寝ていた。
「悪い…
もっと早く気付くべきだった……」
「と…る…せんぱ…い…」
隣に座っている先輩がグッと唇をかみしめて悔しそうな顔をして俺を見ていた。
そっか…先輩が…
「ありがと…ございます…」
「わるい…
その…嫌だろうとは思ったけど…
さすがに血とか…」
消え入りそうな声で、簡単に拭かせてもらったと続けた。
「こちらこそすみません…」
「あ、あと…それ…時間が経てば落ち着くか…?」
気まずそうに視線を逸らされた。けど、何を言いたいのかは分かった。
これのせいで意識が完全に落ちることがなかったから。
熱くてたまらない。
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