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聞きたかった声
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「怜司…
ごめんな……」
侵入してくる指にグッと耐えていると、珍しくレーちゃん呼びをしない悲しそうな声が聞こえてきた。
「ん?な…にィッ…!何すんじゃ!バカ!」
どうしたのかと聞こうとしたら、指がクイッと動いて変な声が出た。
「はい終了!
外でうさみんがやきもきしてるやろうから呼んでくるよ」
いつも通りの浩介に戻っていて、颯爽と部屋の外に出ていった。
けい…た…
その名前に身体が強張る。
なんとなく顔を合わせたくなくて、再び布団の中にもぐりこんだ。
「怜司……」
ドクンッ──
やっと…聞きたかった声
俺を呼ぶその一声でそれを思い知らされた。
ずっと…
ずっと……
助けを求める相手はこいつしかいなくて
先輩が助けてくれた時だって、なぜかがっかりしてる自分がいて…
枕元に来た気配がして、一層身体が強張る。
布団越しに頭を撫でられた。
「ごめん
俺のせいで…」
いつのも自信満々の声じゃない。悲痛な声に俺まで悲しくなる。
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