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俺はリビングのドアのかげに隠れて、ひたすらイチが俺はいないと言ってくれるのを願っていた。
『あの、どちら様ですか?』
イチの問いかけに
「あの、玲音の…坂上 玲音の友人なんですが、今日、家に行くと伝えてまして、さっきも電話…何回かしたんだけど…家の前まで来て、部屋に明かりがついてたから、来てみたんだけど…いないのかな?」
頼む!! イチ!! いないって言ってくれ!!
願う俺の気持ちは届かずに…
『あぁ、玲音さんなら、リビングにいるんで、よかったらどうぞ中に…』
って、何勝手に入れちゃってんの?
家主の了解無しかよっ
ゆっくりとリビングのドアが開いた
「玲音…」
久しぶりに達哉の顔を見た…別に嫌いになって別れたわけじゃない、俺は、鼻の奥がツンとして泣きそうなった…
この空気を察したのか、イチは
『先生、俺、コンビニ行ってきます』
そう言って、部屋から出て行った…
残された部屋で、俺と達哉は、ただ黙っていた。
何を話せばいいかわからない。
でも…
先に沈黙を破ったのは俺
「元気だったか? 新しい恋人とは…うまくやってる? 俺はさ…相変わらず忙しいよ、今度は1年生の担任だからさ…」
あえて、何を話に来たのかは聞かなかった…
聞かなかったというよりは、聞けなかった…
「玲音…俺…恋人とはうまくいかなくて、別れたんだ…どうしても、お前の事が忘れられなくて…自分が振ったのにむしがいいってわかってるっ…でも、やっぱり…俺はお前が」
「達哉っ」
話の途中で俺は止めた
「達哉、悪い、もう元には戻れない…ゴメン…」
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