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『顧問のくせに、部活サボってどこ行ってたんですか?』
「サボったとか人聞きの悪い事言うな、朝は本当に動けなかったんだよ」
『そっか、で? 何処に行ってきたんですか?』
「あー…買い物」
『あ、ご飯?』
「いや…」
先生は仏頂面でポケットに手を入れて、目を合わせようともせずにいた。
『何か欲しい物あったならメールくれたら俺買ってきたのに』
「べつに…たいした物じゃないし」
なんだろう、この歯切れの悪さは。
『先生?』
先生は仏頂面のまま唸り出してしまった。
『先生? 大丈夫?』
「…手…」
『へ?』
「手!!」
『手? どうしたんですか?』
「いいからっ手っっ」
『はい』
俺が手を差し出すと、先生はポケットから手を出して俺の手のひらにに乗せると、
俺の手のひらに何かを置いた。
「やる」
そう言われて置かれた物は
『指輪…?』
「…それ…買いに行ってた」
『どうして?』
「なんてゆーか…その…恋人だって言えないから、その…証明というか、お互いが…2人だけがちゃんと解ってればと思って…」
俺は真っ赤になって呟く様に話す先生の左腕を掴んで、そっとポケットから抜くと、先生の左薬指には俺にくれた指輪と同じ物がはめられていた。
「ちゃんと恋人だってゆー…約束みたいな…感じ」
『先生…』
俺は先生をギュッと抱きしめて、先生の肩に顔を埋めた。
「泣くなよ」
『泣いてません』
「泣けよ」
『もー…どっちなんですか』
「はー…緊張した」
『何で?』
「こんなんするの初めてだし」
『大好きです、先生』
「知ってるよ…」
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