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『あ、先生っ 行き先なら行ってみたいところがあります』
「あ? どこ?」
イチは急いで雑誌を開き、開いたページを指差した
「んー? 温泉?」
『そう、温泉っ あの、部屋に小さいけど露天風呂が付いてて、海も見えて、それにご飯も豪華です』
「露天風呂かぁ、いいな、そこにしようか」
『あ、あの、でも…料金…高くないですかね? 大丈夫ですか?』
「独身ナメんなよ、余裕で出せるくらいの貯蓄はある、誘ったのは俺なんだし、ここは大人の俺に任せろ」
『フッ ハハハッ わかった、じゃぁ大人な先生に任せます』
家に帰る準備をして「じゃぁ、また学校で」そう言ってリビングから出ていくイチを俺は玄関まで見送った
靴を履いたイチはくるッと振返り
『先生、また何か変な事考えてるんでしょうけど、あんまり一人で考えないで…俺にも話してくださいね?』
「え?」
『さっきの、険しい顔…バレてないとでも思った?』
「あ…いや…あれは…」
『ちゃんと話してよね…』
イチの寂しそうな顔に何も言えず、俯いた俺にイチは「ゆっくりでいいから…」それだけ言って部屋を後にした
「バレてたのかよ…」
俺は溜息をついて頭を掻いた
ゆっくりでいいからなんて言われても、言えるわけない
どうやったらずっと自分を好きでいてくれるか悩んでますなんて…格好悪すぎる
だから…言わない…
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