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俺が女だったら…お嫁さんにもらいますなんて言われたら、直ぐに舞い上がって喜べる
だけど俺は生憎男で、しかも10歳以上年上の…オジサン…
お兄さんなんて痴がましい年齢の男だ。
そんなオッサンがみっともなく恋人にずっと一緒にいられるか探りを入れようとするからこんな事になるんだ。
泣きそうになるのをグッと堪えて湯船から出て部屋に入る
浴衣を羽織り、イチに近づくが近づいても俺の方を見ずにテレビから視線をそらさないイチに俺は話かけた
「あの…何かゴメン…変な事言って」
話しかけてもこちらを全く見ようとしないイチに、俺は辛くて、堪えてた涙が溢れ出して…鼻声で「こっち見ろよ…」そうイチに呟くと、泣いている事に気付いたイチはゆっくり振り返り、困ったような顔で
『泣くとか…ズルいよ先生、俺…怒れない』
そう言って抱きしめてくれた。
『もしかして…たまに変な顔で考えてたのってさっきの事?』
当たってる様でちょっと違う
俺がいつも考えていたのは…
どうやったらずっと一緒にいられるか、まだ若いイチがこれから沢山の出逢いをしてもどうしたら俺から目を逸らさずに俺だけを見ていてくれるか…
俺は先生なのに、進路とか話に出したくせに、実際はこんな子供じみた事を考えていて…情けなくて泣いた
『先生?』
俺はイチの腕の中、こんな情けない話はできなくて、ただ涙を流した。
そしたら…
『先生、先生は冗談って言うけど、本気なんだよ…まだ俺は子供だけどこの先どんな出逢があったとしても、先生から離れる気はないし…先生の事も離す気はないから。 だから…もっと俺が大人になったらお嫁に貰われてよ』
「…お嫁って…俺、女じゃねぇし」
『じゃぁ…ずっと一緒にいてよ』
子供の癖に、俺の心配なんか要らないと言わんばかりに俺を安心させる一言「ずっと一緒に…」
聞きたかった言葉…欲しかった言葉…
嬉しいのに俺は素直に「はい」とは言えずに
「仕方ないから一緒にいてやる」
そう応える。
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