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好きを見せて。5
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─────────────…
「………」
ヤバい。
現在進行形でヤバい。
え?なんで?
そんなん前回をお復習しろ!!
「啓」
「な、なに!」
「オレンジジュースでいい?」
「あ、おう」
「りょーかい」
そう……前回何だかんだで付き合うようになった俺たち。
“1週間の約束”の効果か、たった二日で策略にハマり落とされてしまった。不甲斐ない俺…
いや、これは元々好きだったんだから俺は負けてはない!……はず。なんだけど
「はい、どーぞ」
「どうも」
カラン、と氷が幾つか入れられたグラスが氷と接触し音を奏でる。注がれたオレンジジュースを目の前に置かれると啓はすぐに一口くちにする
「……」
「そんなに緊張する?」
「あ、ったりまえだろ、ずっと来たかったし…」
恥ずかしさ紛れにまたジュースを口にする
「それは、どーゆーことかな?」
クスッと微笑みながら顔を覗かれジュースを飲み下す前に上記を言われ
急に飲み込んだジュースに啓は蒸せる
「っごほ!っが、ちょ!は?!」
「大丈夫?」
「っ~、大丈夫…」
「そっか良かった」
そしてまた臨海は微笑む。その顔に目を奪われていると不意に目が合う
「っ…」
逸らそうにも逸らせずただひたすらに見つめ合う
時が止まればいいのに。
女々しいかな…?
「啓」
「ん?」
「キスしよっか」
「なっ!?」
「さっきは強引にしちゃったけど、今度はちゃんと…同意のキス」
ね?と微笑みながら首を傾げる
この人ホントわかってやってんのか?
まぁ、分かってやってる方がタチわりぃけど
「…やだね、仕返しだ」
「そうか、じゃあ…言い方を変えよう」
「?」
「キスしていい?」
「っ!か……勝手にすれば!」
「りょーかい」
不安と期待に目を泳がせていると両頬を優しく包まれる
啓は近付く臨海の顔に目をキュッと閉じると微かに聞こえた空気音でうっすらと瞼を開くと同時に唇が触れあう
「ん…」
「っん…」
触れるだけのキスを何度か交わすと、馴れた様子で啓の口腔に舌を忍ばせる
「ん…ふぁ、せん…せ」
「ぅ、ん…」
名残惜しさが残る中お互いに見つめ合いながら唇を離す
我にかえった啓は羞恥心に顔を逸らす
「っ…」
「…、照れちゃった?」
「ち、違っ!そーゆうんじゃなくて…」
「ん?」
「えっと、だから……」
「うん」
「その……」
体中の血液が沸騰してるみたいだ。
熱い。なんというか、ど……ドキドキ?みたいな…
ただキスしただけなのに!
……顔赤くなってねーかなっ
ゴニョゴニョと小さく呟く啓はソファの上で体育座りで丸まって顔を逸らす
「だ、だから、さ?その…」
「何食べたい?」
「は?」
「お腹空いたでしょ?なんか作ってあげる。何食べたい?」
「あ、…と、なんでもいー」
「嫌いなもんは?」
「ぴ、ピーマンは駄目…あとグリンピース…」
なんだろ…違和感
「んー、りょーかい」
すっげぇはぐらかされたくねぇか?今…なんで?
聞くくせに、話逸らすってなんなんだよ…
すぐ言わないから……とか?
だってそんなの、言えねーよ……
「啓、麻婆でいい?」
「ん…」
「じゃあ、作るまで寝てていいよ?」
「ん…あ、あのさ!」
「んー?」
うじうじはらしくねーよな。うん!
男として!
早々に決断するとキッチンで料理を作り始める臨海の元へ、足を運ぶ
「お、俺…先生のことす、好き…だから!」
「!」
「ちゃんと、好きだから……ちゃんとっていうのもおかしいけど…」
「………」
「…………」
な、なんでだ。
なぜ、無反応!?お、俺変なこと言った?
ちゃんと、好きって言ったよな?
嫌い…とか、いやいや言ってない言ってない。
「啓…」
「え?」
目の前真っ暗だ。
なんか、気持ちいいくらい俺の好きな香水。けど、それと混じった汗の匂いとか…多分フェロモンとかそういう類いのもの
あー、抱き締められてるんだ…
背中広…腹筋ついてそー、体格いいし
驚きながらもちゃっかりしていると思う
「って、あの…先生?」
「ん?」
「何してんのっ」
「抱き締めてんの、分かんない?」
「いや、分かるけど…そーじゃなくてさ…なんで抱き締めてんの」
「啓が可愛いこと言うから」
「は、はぁ!?な、何いってんの!?マジ、は、恥ずかしいー!」
動揺してる俺が恥ずかしいよ!!!
「啓…」
「っ……何?」
「あんま可愛いことしてっと……食っちゃうよ?」
「っ……あ」
「うそ…しないよ」
がっちりホールドされていた体を解放され、先ほどまであった暖かさに名残惜しさを感じる
「お、俺…出来るまで勉強するわ!」
「そ?わからないとこは教えてやるからな」
「うん、あんがと」
逃げるようにしてキッチンを飛び出す啓は
テーブルの前に座ると鞄の中から宿題で出された課題を取り出す
「……めっちゃ、ほてってるじゃん…」
臨海に聞こえないように小声で呟くと、すぐさまテーブルに広げられた課題にとりかかった
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