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「ゆうと、飯食ったか?」
カラーを塗ってハケとカップをバックヤードへと持って行きゴム手袋ごとそいつらを洗っているとタカさんが声をかけてきた。
時刻は19時40分。
タカさんが言ってる「飯」というのは、お昼の事だ。
夕飯ではない。時刻は夕方・・・・だけどさ。
「いや、まだっす。このあとD5のお客様のパーマチェックとB6のお客様の仕上げのブローあるんで」
手を止めず洗い物を片付けながら答える。
「まじかー。ゆうと頑張るねぇ。まぁ、俺は今飯も食わずに休憩中なんだけどな」
タカさんはそう言いながら、ぷはぁ~と盛大にタバコの煙を吐く。
俺はそれに眉根を寄せた。
タバコは吸わない。煙が、好きではなかった。
「休憩だけして飯食う気がないなら20時20分予約のカットのお客様の前にB6のお客様一緒に仕上げましょうね~」
ニコニコ営業スマイルでタカさんの方を向く。もちろん、表情こそニコニコだけど俺を纏うオーラは怒りでメラメラで、それはタカさんにも伝わっている。
「げっ。ゆうとぉ~怒んな怒んな」
タカさんは慌ててタバコを消すと俺の横に来た。
「真面目に仕事するからさぁ~。怒んなって」
言って、ぽんぽんと頭を触る。
「ゆうと、お前このカラー何分入れてる?」
「あっ、20分です」
「白髪染めだろ。25分いれとけ。前回ちょっと根本の色の入りが薄い気がして気になったらしーから、フォローも入れて流してねん」
言いながら、タイマーを操作される。
「ほらよ。あと18分。飯いきなー。あ~?あと、D5のパーマチェックね。やっとくよ~ん」
タイマーを受け取る。
本当に・・・この人は。
「ありがとうございます。飯行ってきます」
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