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「おいっ」そう呼んでも立花は振り返る事も無く歩いていき、俺も追いかける事はしなかった。
よく不機嫌になる立花とは仲良く過ごす事よりも喧嘩をする事の方が多いかもしれない、些細な事ですぐ不機嫌になって、機嫌が直るまで数日かかることもしばしば…それでも好きな気持ちに変わりはなくて、一緒にいれば仲良く過ごす日もある。
今は機嫌が悪いんだし、放っておこう、明日には機嫌も直ってるだろう、そんな風に思って追いかけもしなければ、帰ってからも特に連絡もしなかった。
翌日、俺はいつも通りコンビニで缶コーヒーを買う、レジカウンターにはいつもの店員がいて「今日も寒いね」なんて話し掛けられ缶コーヒーと一緒にカイロを手渡され「外、寒いからあげる」そう言われて俺は素直に受け取った。
礼を言って、カイロをポケットに突っ込んで学校へ向かう、下駄箱の前に鼻を赤くした立花がいて立花は少しばつが悪そうに『…おはよ」』そう呟いた。
「機嫌直ったのかよ」
『別に…機嫌悪かったわけじゃねぇし』
「ふぅん」
冷たい空気が入り込む玄関にいつから待ってたのか、鼻と頬を赤くした立花が何だか可愛くて、俺はポケットに入ってるカイロを立花の鼻にくっつけて「寒さで鼻赤くなってる、コレやるよ」そう言って立花にカイロを渡した。
『暖けぇ』
「ほら、教室行こうぜ」
俺達は2人並んで教室まで歩いた。
立花の機嫌は直っていつも通り、隣で散々騒いで楽しそうにしている、俺はその楽しそうな声を聞きながらいつも通り昼寝したりする。
放課後になって家に帰ろうと玄関へ向かうと、「帰ろう」そんな言葉が無くとも当たり前の様に立花は俺の隣を歩く。
「明日休みだし泊まってくんだろ?」
『そのつもり』
「じゃぁ、ゲームソフト買って帰ろうぜ」
『何か気になるのでもあんの?』
「ある。昨日ネットで見て欲しくなった」
『1人でやるやつ?』
「いや、2人でもできる」
『ふぅん』
「買い物ついでに飯食って帰るか」
『俺、金持ってきてねぇ』
「お前はいつも無いだろ。奢ってやるよ飯ぐらい」
『まじか。ラッキー』
立花は笑いながら俺の隣を歩いた。
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