アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
立花の態度に苛々して、家に帰っても苛々は治まらず、晩飯も食わずに寝てしまった。
朝起きてもムカムカしていたが腹は減る、少し早めに出て、いつものコンビニで今日はコーヒーじゃなく、朝食を買った。
店員「今日はコーヒーじゃないのね」
「あぁ…昨日、晩飯食べ損ねて腹減ってて」
いつものコンビニ店員、沢田さんは「それじゃぁお腹も空くね」と、笑った。
お金を渡そうと財布を開けると、2枚の映画チケットが目にはいる…
俺はお金を支払ってお釣りをもらってからチケットを取り出した。
「沢田さん、これあげるよ。行かなくなったから。2枚あるから友達誘って行って」
店員「なぁに?映画のチケット?」
「そう、今日から公開なんだよね」
店員「いいの?貰っちゃって」
「あぁ、いいよ。あげる」
「ありがとう」そう言って沢田さんはチケットを受け取った、俺は「じゃぁね」そう言って店から出たが、少し歩くと「草野君、待って」と、沢田さんが走って追いかけてきた。
「どうしたの?」
店員「あの、良かったら…これ一緒に…」
さっき渡したチケットを手にしていた。
「映画?」
店員「一緒に、行きませんか?」
別に自分が見たい映画な訳じゃなかった、立花がCMで流れる度に見たいと言うから買ったチケットで…
「いや…何で俺と」
店員「あ、あの、SF好きな友達いなくてっあたしは好きなんだけど…だから…その」
何だか必死で笑えてしまって、思わず「いいよ」そう返事をしてしまった。
パッと顔を上げた沢田さんは嬉しそうに「ありがとうっ」と笑顔を見せた。
たかが映画を見るくらい、どうって事は無い、付き合うわけじゃないんだし、その馬鹿な考えが立花との喧嘩を更に酷くさせるなんてこの時は考えもしなかった。
俺達は学校が終わった放課後に待ち合わせをして映画を見る約束を交わし、別れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
104 / 127