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学校に着くと隣の席には既に立花が座っていて、俺の席に背を向けてクラスメイトと談笑している、俺の方は一切見ることは無かったが、学校に来て、隣に座っているだけで少し安堵した。
昼休み、騒がしい教室で立花が何か言いたそうに俺を見ていたが、昨日の態度を思い出せば、あえて俺から話し掛ける事はしなかったし自ら聞いてやる必要は無いとさえ思った。
立花は終始何か言いたそうに俺の顔を見ては目が合えば視線をずらし、何も言ってくることは無く結局放課後になって数人のクラスメイトと帰って行く。
俺は沢田さんと待ち合わせの場所に向かい、少し早く着いてしまったから沢田さんが来るのをその場で待った。
沢田さんが現れて、2人で映画館へ向かう途中、俺のスマホがポケットで鳴る。
立花からのメッセージだった…
゛今どこにいる?゛
何でこのタイミングで送って来るのか…
言いたい事があるなら隣の席なんだから言えば良かったのに。
そしたら俺はここにいる事はなく、今頃は家で立花と一緒にいたかもしれないのに。
だけどこのメッセージを見るまで、自分の今していることは何でも無いことで、たかが知り合いと映画を見るだけ、そんな風に思っていたのに、なぜか直ぐに返事が出来なかった。
そもそもアイツが訳も解らず勝手に怒って、映画もアイツが行かないって言うから…
自分に言い訳しているように俺は
゛家にいる゛
咄嗟に嘘をついた。
既読はついたのにそれから返信がくることも無くて、何だったんだろう、そうは思ったが映画館に入って映画が始まれば携帯も触る事は無い。
映画を見終わって携帯を見たが返信はきていなくて、何となく立花が家の前で待ってる気がして…早く帰りたくなって…俺は沢田さんが映画のお礼にご飯を奢ってくれると言ったが用事ができたからと断って急いで家に帰った。
マンションの前まで来て、この階段を上ったら立花がドアの前に居る、そう思ったのに…ドアの前には誰も居なかった。
ガッカリ感とあのメッセージは何だったんだろういう気持ちが何ともやりきれなくて、こんなにガッカリするくらいなら、何か言いたそうな顔を見た時点で自ら聞いてやれば良かったと後悔する。
朝、早く家を出てコンビニに寄らずに学校へ向かう。
昨日の事を聞こうと玄関で立花を待ち伏せした、隙間から風が吹き込む玄関は思ったより寒くて、少しでも身体の熱を逃がさない為に腕を組む。
暫くして立花が登校してきた、俺はすかさず立花を捕まえて「ちょっと話そう」と言った。
逃げられる事も考えたが立花は逃げることも無く、黙って俺の後ろを付いてきた。
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