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ゆっくりと草野は俺の手を降ろさせた。
『見んじゃねぇ…』
「ほんと可愛くねぇな」
『……』
「お前は、俺が好きだろ?」
『好きじゃねぇ…』
「まだ言ってんのかよ、素直じゃねぇな」
『もう…俺の事なんて嫌いなんだろ? だから俺も好きじゃねぇ…』
素直に気持ちなんて言えるわけない
これ以上傷つきたくない
俺は俯いた。
そんな俺を草野はグッと抱き寄せて
「俺のことが好きならフラフラすんなよ」
『フラフラなんてしてねぇだろ…』
「してたね、女に誘われて鼻の下伸びてた」
『あれはっ…ちゃんと断ったし…』
「もう関係ないとか言うなよ」
そう言って草野は俺の唇にキスをした。
『もう…俺の事…嫌いなんじゃないのか?』
「嫌いじゃねぇよ、お前がフラフラしてるから意地悪しただけ」
『…性格悪…』
意地悪そうに笑う草野に俺は
『ゴメン…』
小さな声で言った。
やっと言えた、その小さなゴメンに草野は俺を抱きしめて
「心配しなくても、俺はお前を手放す気なんてないから」
俺達はまたキスをした。
「どうする? このままサボる?」
『ん…サボる』
「家行くか?」
『ん…』
「加減してやれそうにないけど、いいか?」
『ん…? うん?』
「じゃぁ、行こうぜ」
俺達はそのまま学校をあとにした。
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