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まさと16
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湯であっためるだけのお粥を頬張りながら、まさとはやっぱりフーフーいってお粥を食べるゆうを見つめた。
「ゆう、家は大丈夫なのか?」
気づけば外はすっかり暗くなっていて、当たり前のように一緒になって飯を食ってるゆうが心配になる。
っていってもゆうは男だし、彼女でもないし、そんな心配必要ないのはわかっている。
ただゆうの入院中顔を合わせることが多かったこともあって、いつの間にかゆうのお袋とは仲良くなっていた。
俺のお陰でゆうが助かったと思っているのか凄く感謝されたっけ。
別に俺がゆうを助けたわけじゃないんだけど、、実家が遠い俺のことを心配して、ご飯ご馳走になったりして…まー息子のように接してくれて俺も嬉しかった。
だからそんなお袋に心配かけちゃいけないって思っただけなんだけど…
「あ、うん。さっき連絡して泊まるって言ったから」
「ん、そっか…ん?」
今泊まるって言ったか…?
さらっと言ってのけたゆうの顔をまじまじと見つめる。
よからぬ妄想が瞬間頭を掠め、急にまた心臓がうるさく鳴り始めた。
いや、だからないし!
前に一緒に生活してた時はこんなことなかったのに…急にゆうのこと意識し始めるとかさっきからなんなんだ?
思い返せば学校でゆうを引き止めた辺りからおかしい。
ゆうはただの男友達なのに。
そうだよ、ゆうからしても俺はただの男友達で、いくら男と付き合った経験があるとはいえ俺はそういう対象じゃない。
だからさらっと泊まるとか言えちゃうわけで、俺もそれをさらっと受け入れてやらないと…
そういやゆうがともくんと付き合ってたって知ったのはゆうが寝てる時だもんな。
偏見はないけど、やっぱそれもあって可愛く見えたりしてんのかな…うーん
まさとは本気で頭を悩ませた。
…あ、でもそっか、これも風邪のせいなんだっけか?
ってそうじゃん!
急に大切なことを思い出したようにまさとは顔を上げる。
「いやいや、泊まるとかマズイだろ。風邪移ると大変だって」
このドキドキを少しでも落ち着かせようと必死に訴えた。
風邪のせいとはいえ、これ以上ゆうが近くにいたら正直発情してしまいそうで恐い。
自分はノンケだと信じていたのにそうじゃなくなったら…考えただけで恐ろしかった。
それに後で後悔だけは絶対にしたくなかった。
「んー?移るんだったらもうとっくに移ってるよ」
確かに…でも!
「それに…」
急に黙ったゆうを不思議に思って、まさとは静かにゆうを見つめた。
なかなか次の言葉が出てこない。
催促していいものか悩んでいると、ゆっくりゆうの口が開いた。
「やっぱさ、ともの荷物が残る部屋に帰んの、正直しんどいんだよね」
あ、そうか…
ゆうはまだともくんの呪縛から逃れられてなかったんだった…
苦笑いしているゆうが辛い。
まさとは何も言えなくて、少し冷めて食べやすくなったお粥を次々と口に運んだ。
やっぱ風邪引いた時は梅干しだよな、とかわけのわからないことを言いながら。
その頃にはすっかり心臓のドキドキもおさまっていた。
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