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ゆう50
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改めて目の前のともと向き合う。
ともは変わらず笑顔を浮かべていたが、その笑みは全てわかっているかのように清らかだった。
手首を切った時に見たのは自分が勝手に作り上げたともの幻想。
どうせ死ぬのなら、最期に許してくれたと思いたかった。
大好きなともの笑顔が見たかった…
あの時はそんな幻に縋るしかなかったのが、今はこうして現実になっている。
そしてずっと欲しかったともの笑顔が、真っ黒く染まった俺を少しずつ少しずつ浄化していく。
…ありがとう、とも。
本当に本当に、愛してたよ…
ゆうはともの笑みに重ねるように微笑んだ。
「ねぇとも、最後にともだけで感じたい、、」
今まではともとセックスする度に、前後から同時にもたらされる快感にひたすら溺れていた。
思えばそれだけだったような気もする。
自分は勝手に一つになれてるつもりでいたけれど、ともは違ったかもしれない。
「…挿れて、いい?」
ともは少し驚いた様な顔をしたが、全てを受け入れる様にゆっくりと頷いた。
ゆうは身体を進める。
自分たちを縛るモノはもう何も無い。
このセックスだって義務じゃない。
それでもともを感じたいし、ともには俺を感じてほしかった。
これが最後になる…そんな気がしたから。
「んっ…っ」
ともがちょっと苦しそうに声を上げる。
それでもゆうを全て包み込むと、嬉しそうに笑った。
大好きだったとも。
少し形は変わったが同じ様に大切なことに変わりはない。
家族に戻るだけなのだ。
今までのことを全て過去の物にするためにも、ゆうは全身でともを感じた。
共有していた時の激しいだけの快感とは違い、それはとても心地よい感覚だった。
ともも同じ様に全身でゆうを感じてくれているのがわかる。
ここに来てようやく本当の意味で一つになれた気がした…
さっきとは全然違う、ともの甘い吐息が部屋に響く。
ゆうはその吐息さえも呑み込むようにゆっくりとそして深くともの唇に自分の唇を重ねた。
二人の呼吸が合わさる。
ドクンドクンとともの血液が一緒になってゆうの身体を駆け巡っていく。
今までで一番近くにともを感じた瞬間だった。
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