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王道のせいで
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「ーーはぁ……」
自分の背より倍以上ある門を見上げ溜息を漏らす。
豪華すぎる門は、まるで外界と遮断する地獄の入り口のように俺は思えた。
暫く待ってると、門はゆっくりと開いていく。その先には黒のスーツを着て爽やかな笑みを浮かべた30代半ばの男性がいた。
「お待たせして申し訳ありません」
「いえ……、ご無沙汰しております」
軽く挨拶を交わし、男性に誘導され黒のベンツへと乗る。
「御堂(ミドウ)様、状況は……」
「理事長から伺いました」
「そうですか。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
ここ黄銅(オウドウ)学園の卒業生であり、理事長から助けを求められた。
元々、普通とは少し変わった風習のある学園なのだが、今は1人の生徒のせいで崩壊の危機にあるとか。しかも、その生徒は理事長の甥にあたるとか。
考えただけで面倒臭い。
だからといって知らないフリも出来なかった。小等部から9年間お世話になったのだ。それなりに思い出もあり、愛着もある。
それでも、溜息が漏れそうだ。
この学園は金持ちの子息が集う男子校なのだが、中等部から完全寮制となる。都心から離れた山奥にあり、休日の前日以外は外出も認められていなくて、外泊は長期休暇のみ。
多感な時期、欲を持て余した生徒たちは同性へと走る。そのため、学園の9割が以上がホモかバイという驚異的な数値を叩き出した。
かくいう俺も当時は男もいけた。
他にも抱きたい、抱かれたいランキングで決まる生徒会役員に風紀委員。
容姿の良い生徒を崇拝する親衛隊というのが存在する。
そんな普通ではない学園でも上手くいっていた。
それが5月上旬に来た1人の生徒により変わってしまう。彼は人気者たちを虜にした。その中には生徒会役員と風紀委員が含まれ、彼らは仕事を放棄した。放棄してその生徒を手に入れるため、何でも言う事を聞く愚者へと変貌してる。
教師より生徒の方が家柄が画然に良い。そのせいまあり教師は見て見ぬフリをした。親衛隊は荒れ制裁という名の暴漢暴行が日常化してる。
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