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食堂
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1人で生徒会の仕事をするようになって1週間。
一宮は顔を出すが、仕事をすることはない。ただ俺と話をするだけ。
それよりも問題なのが、他の役員が1度も生徒会室に来ていないことだ。一宮に聞いたところ空き教室に溜まっていると。生徒会室に来ない理由は、汚くなったからだと。
空き教室の場合、生徒会室と違い掃除の業者が入る。だから、清潔に保てた。生徒会室は重要書類も多いため、生徒会役員以外は用がない限り立ち入り禁止になっている。
「一宮、他の役員に生徒会室が綺麗になったと伝えて連れて来い」
「嫌だ」
何度繰り返してる問答。何故か一宮は“嫌だ”の一点張りだ。
「ーーはぁ」
「ーーチッ!」
溜め息を吐けば舌打ちで返される。
「せめて役員がどの空き教室にいるか教えてくれないか?」
「自分で探せ」
そんな時間なんてない。しかし、一宮は何故もこう我が儘なのだ。
視線を一宮から時計に移すと、昼時。俺は腰を上げた。
「何処に行くんだ?」
「食堂だ」
「は? 弁当は?」
節約のため、普段は毎朝弁当を作ってる。何故か一宮の分も。
「流石に疲れてな」
今日は寝坊して時間がなかった。
「購買でいいだろう」
「栄養のバランスが崩れる」
きちんと管理しないと、すぐに体型は崩れるし、体調も悪くなる。学生の頃は、そんな事なかったがな。
「な、なら……」
「俺を食堂に行かせたくない理由は?」
「そ、そういうんじゃねぇ……よ」
吃ってるし語尾が小さくなった。どう見ても、行ってほしくないように見える。
「悪いが、こればっかりは譲れない。一宮が来たくないなら一緒に来なくても構わない」
「い、いや! 俺も行く!」
そこまで焦らなくても……。置いていくとは言ってないのにな。
一宮と2人で廊下を歩いてると、俺たちを見た生徒たちがひそひそ話しをしてる。ほとんどが“カッコいい”とかの類いだ。
「開けるぞ」
食堂の扉の前まで来た時に、一宮が俺に確認をとる。
「慣れてるから気にしなくていい」
これから起こるであろうことに構えた。
「きゃあああーー!」
「会長様ーー! カッコイイですぅ!」
「会長様ーー! 抱いてくださぁい!」
「会長様ーー! いっぱい突いでくださぁい!」
「俺様何様生徒会長様キターー! あれ? 王道君は?」
目を瞑っていれば、女がいるように錯覚する。最初は一宮へのものだけだったが、俺がいることに気付くと俺に対しても甲高い叫び声をあげた。
「誰あの人? 凄くカッコイイ!」
「僕、知ってる。新しく来た先生だよ」
「御堂先生だよ」
「抱かれたい! めちゃくちゃにしてくださぁい!」
「キタキタキターー! 学園を救うために来たヒーロー?? 早速、会長を落とすとは! ム腐腐……。会長×教師、いや教師×会長? どっちでもウマウマだぁ!」
歓喜の声の中、俺たちは階段を上り特別席へと向かう。特別席は生徒会役員のみ使用可能だ。
本来、教師である俺には使用権限はないが、この状態で一般席に座るのは危険だ。生徒が俺に殺到して、怪我人を出す可能性がある。
「悪いがココで食事を摂る」
一応、会長である一宮に断りをいれた。
「構わない。ここで別々に座るのも変だ」
それもそうだ。
設置してあるタッチパネル式のメニューに目を通す。豊富なメニューの中から和食のセットを頼み、カードキーをスキャンさせた。このカードキーは個別認証され月末に使用した金額が銀行から引き落とされる。
「まだ決まってないのか?」
一宮の見てるパネルを覗くと、慌てて隠した。
「だ、大丈夫だ! 決まった」
「……」
何か言おうか悩んだがやめる。俺が口出すことではない。
特別席の注文は優先されるため、それ程待たずに料理が運ばれて来た。
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