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笑顔
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生徒会室に戻った俺はソファーの背凭れに体を預け、右腕で目元を覆う。
「ーーはぁ」
疲れた。十数分で体力を使い果たした。
暫くそうしてると、コトッとテーブルに何か置かれた音がする。腕を退け確認すると、コーヒーが入ったマグカップがあった。
向かいに座ってる一宮に視線を送る。
「淹れてくれたのか?」
「あ、ああ……」
一宮は照れくさいのな横を向いてた。俺はブラックなんだけどなと、茶色になってるコーヒーを飲む。
……あまっ!
砂糖、何個入れたんだ?
「フハッ」
思わず笑い声をあげた。普通、誰かに煎れる時は相手の好みに合わせるもの。それなのに一宮は自分の好みに合わせた。
それが可愛らしすぎて笑える。
「何で笑っ……」
文句を言いながら、俺を見た一宮が固まった。
やってしまったな。
俺自身の容姿は十二分に理解してる。この学園の生徒だった時も笑顔を見せれば、ガチタチの奴でさえ俺に惚れ掘ってくれと襲われた程だ。
だから極力控えてる。
大笑いしたなんて、いつ振りだろうか。
「俺は仕事やるか。コーヒーありがとうな」
甘いコーヒーをグイッと飲み干し、デスクへと向かった。
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