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決着
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気がつけば相手チームの大将のハチマキは俺の手にあった。
気がつけば、というのも一心不乱に向かって来る相手のハチマキを奪い続けておりどの騎馬が大将なのかを把握してなかったのだ。
つまり、意図せずラスボスを倒してしまったというなんとも間抜けな結果に終わってしまったのだ。
周りの盛り上がりの度合いは高かったのだが、俺としてはやってしまった感は否めなかった。
「お前無双やったな…あれだけ綺麗にハチマキかっさらわれたら向こうさんも気持ちええわ」
「ほら、あそこで水樹ちゃんが見てるよぉ〜?」
なんだって?
「水樹!!と、浩斗!」
楢崎に言われた通り席の方を見ると確かに水樹は此方を見ていた。
隣に浩斗も座っており呼び掛けると水樹は恥じらいながら、浩斗は不服そうに手を振り返す。
何故浩斗が不服そうなのかは分からなかったが、それを気にする間も無く貴澄たちに呼ばれてしまったので、俺は自席へと戻った。
*
「俺はついでですかねぇ。裕哉先輩」
「裕哉先輩?お前、呼び方…」
いつの間にか裕哉の呼び方が変わっている浩斗に驚く。
いつの間にそんなに仲良くなったんだ。
「あぁ、団員は皆下の名前なの。なに、嫉妬してんの。相変わらず可愛いなぁ、お前」
「揶揄うなよ。別に嫉妬って訳じゃねぇし」
「全く、フェアじゃねぇや」
「え?」
浩斗は珍しくぼやくように呟いたので、思わずきき返すが、浩斗はただかぶりを振って
「いや、なにも?やっぱり裕哉先輩魅せてくれるなぁ、って。」
と、長い足を組んだまま、表情を隠すように言っただけだった。
「…まぁね」
「嬉しそうな顔しちゃって。別にお前を褒めたんじゃねーんだけど?」
「知ってるよ。」
寧ろ、だからこそこんなに嬉しいんだろう。
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