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一緒に帰ろう
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仁科忍、無口無表情の鉄仮面みたいな男。
コミュ力が高い俺でさえ唯一クラスで話したことのない奴で、
そんな仁科が正直いって俺は苦手だ。
「綾瀬、一緒に帰ろう」
「は?」
さっきまでざわざわと騒がしかった教室が一瞬にして静まり返る。
そりゃあそうだ、
俺が仁科を苦手だってことはクラスほぼ全員が知ってるというか、
わかるだろうし
それに、仁科が他人に話しかけるなんて今までの彼では考えられない
「駄目、か」
「い、いや、別に」
今日は特に予定もないし吃りながらもつい肯定してしまった。
そのやりとりを見ていた隣でさっきまで俺と喋ってた女子が、
仁科に聞こえない程度の小声で俺に尋ねる。
「え、綾瀬、マジなの.....?」
「ま、まあ?予定ねえしさ.....断る理由ねえじゃん」
「.....お人好しすぎるでしょ.....」
信じられないという顔で見てくる。
俺もできることなら断りてえよ.....
やっぱり昨日のことが原因か....?
いやでも告白は断った(?)し....
いやそもそもあれは告白なのか...?
「そうか、じゃあ帰ろう」
「は、はい」
いわれるまま俺は荷物の全く入っていないペラペラのカバンを手に取り、
仁科の後ろをついて逃げるように教室を出た。
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